魔法人格、制御不能

3篇

魔法を使ってみたい。そう思ったときの第一の選択肢は「杖」だ。ただまあ、とにかく価格が高い上にすぐ壊れる。だが、かなり手軽に使える。

片手に持ち、起動文言（キーワード）を唱えて、振る。方向音痴だと上手く飛ばせない。まあ気楽で便利だ。

もう一つの選択肢は、やはり魔法人格を埋め込むことだ。杖一本分よりずっと安価で、人格とよほどの仲違いをしない限りは使い続けることができる。そう、暴走してしまうまでは。

暴走は、恐ろしい。たった一つの計算ミスから全てが狂い、エネルギーのバランスが崩壊し、己の肉体がポリゴンが砕けるように崩壊する。

「魔法、行使」

仕方がない。呼び出されてしまったので中途半端だがここで筆を置く。じゃあな。