第4話 影響を受けた三大ジャンル


 曲がりなりにも「小説」と名のつくものを書いているのだが、それにあたって、何かしらの影響を受けているなと、自覚することは多々ある。

 全く無知のままで、創作活動をすることなど不可能だと思っているので、私が何から影響を受けたかをここでは記していきたい。


 ただ、それを一から十まですべて挙げていたら、キリがない。

 というか、その後のエッセイのネタが無くなってしまう。


 細かい話は後程して、今回は、私の半生で、「こういうジャンルから強い影響を受けているな」と思うものを、三つにまとめてみた。







 その一、「小説」


 これは当たり前といえば当たり前である。

 小説が好きでなければ、小説を書くわけがないのだ。……なんて、禅問答みたいなことをかましてみる。


 小説は、本当に自由で、どんな風にも想像できるし、正解がない。

 その中には、誰も見たことも聞いたことも無いものが描かれているが、確かに存在している。その不可思議さが、酷く惹かれるのだと思う。


 ジャンルをえり好みしないで、色んなものを読んでいるとは言っているものの、やはり、好きなものは固定されてしまう。

 私は、小学生の頃からミステリーとファンタジーが好きだった。


 作家で言ったら、伊坂幸太郎、森絵都、乙一辺りは外せない。他にも、川上弘美、川上未映子、あさのあつこ、星新一、森見登美彦、はやみねかおるなどなど。

 シリーズものも読みまくった。シェーラひめの冒険、クレヨン王国、パスワードシリーズ、はなはなみんみ物語、なん者ひなた丸、ローワンシリーズなどなど。


 今でも一番好きなのは、芥川龍之介の「地獄変」だ。

 これは、中学生の時に呼んで、頭に雷が落ちるほどの衝撃を感じた。それから、高校生の時には、「地獄変」の読書感想画を描き、大学の卒業論文では「地獄変」をテーマにした。


 私の人生で一番読んでいる作品なのは間違いないのだが、何度読んでも発見があり、飽きたことなど一度も無い。

 いつの日か、「地獄変」についてのあれこれも、エッセイで綴りたいと思う。






 その二、「漫画」


 私は漫画も、小さい頃から好きだった。


 色んな漫画を読んでいったが、しかし、中々完結まで読み切ることが出来なかった。

 その理由は単純で、私がものすごく飽きっぽいからだった。


 そんな私が最後まで読んで、自分のバイブルだと自負している作品が、「鋼の錬金術師」だ。

 伏線の書き方とか、人間の書き方とか、参考にしたいと思う部分はたくさんある。


 他には、短編集形式の漫画が好きだ。

 例えるなら、「銀魂」とか「ブラック・ジャック」とか。


 少女漫画はあまり読んでこなかったが、人外と人間の恋愛ものが多い、花とゆめシリーズは好きだった。

 知名度は低いけれど、「ガートルードのレシピ」や「お迎えです」は、最終回が非常にぐっとくる。






 その三、「短編アニメ」


 テレビシリーズのアニメというよりも、十五分以内の短編アニメだ。

 沖縄は、テレ東が無い、アニメ空白地帯であるため、昔からあまりアニメは見てこなかった。


 そんな環境だったため、教育テレビ(現Eテレ)でのアニメはとても楽しみだった。

 「カードキャプターさくら」や、「無人惑星サヴァイブ」は、夢中になって見ていた。


 ただ、それ以上に、私は教育テレビ内の五分アニメ、プチプチアニメやみんなのうたに強く惹かれた。

 先程も言ったとおり、大変飽きっぽい性格のため、五分で完結する、様々な画風を見せるアニメは、私に合っていたのだろう。


 また、アニメと言っても、紙の上で書かれた絵だけではない。

 粘土、ストロー、毛糸、切り紙、ブリキのおもちゃ、様々なものがストップモーションで命を吹き込まれたかのように動いて、私を魅了した。


 そんな中、中学の時に、私は未知との遭遇を果たす。

 デジスタ・プチ劇場の放送開始だった。


 元々は、BSのデジタルスタジアムという、アマチュアから映像作品を募集して、それを競い合うという内容の番組からの派生だ。

 その中で放送された五分以内の映像を、まとめて、教育テレビの深夜一時前くらいに放送されていた。


 あれはまさに、むき出しの才能というものだったと思う。笑える作品も、しみじみする作品も、実験的すぎて理解できない作品も、等しく公共の電波にのった。

 私は見たことのない世界の虜になり、当時買ったばかりのHDDに録画された番組を見て、誰がどの作品を作ったのか細々とメモするくらいだった。


 ちなみに、デジタルスタジアム出身で、今ではプロとして活動する人物は多く、今年話題になったアニメ「ポプテピピック」の青木純やAC部も、ここから旅立った人物たちである。

 あとは、広島のラッコの天気予報の、烏田春奈とか。「ケータイ狂想曲」は名作。






 語り過ぎて、力尽きそうになってきたが、踏ん張って総評を。

 どこにどう影響を受けたのか、というのを言い切るのは難しいが、「昔から好きだったあれやこれ」が、今の私の書くものの、血肉になっているのは間違いない。


 ミステリアスでファンタスティックで、短くて、人と人外が出てきて、笑えて、しみじみして、実験的な作品、そういうのをこれからも書いていくのだろうが、それでも目を通してくれたら、幸いである。

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