27.Thunder(稲妻)
今回のテーマはサンダーである。
僕としてはこれはもうサンダーバキュームボールの話をするしかないのである。
サンダーバキュームボールは魔球である。
『ミラクルジャイアンツ童夢くん』に出てくる第三の魔球である。
サンダーバキュームボールは、高く上げた左足で真空状態の竜巻を作り出し、身体全体をしならせて投げ込む速球をその中に送り込むことによって放たれる、時速257キロの超超剛速球である。
ちなみに主人公の新城童夢は小学校5年生である。
まさに荒唐無稽。
突っ込みどころ満載。
でも僕は言いたい。
魔球には“夢がある”のだと。
野球という娯楽が大衆の圧倒的支持を集めていた昭和の時代、漫画やアニメの中に魔球は頻繁に登場していた。僕と同じく70~80年代生まれの人なら、有名な魔球の一つや二つ軽く思い出せるだろうし、実際フォームを真似たりしたのではないかと思う。
それぐらい、魔球には夢と希望が詰まっていた。
魔球は、必殺技だ。
そして諸刃の剣だ。
無敵に思われた魔球はライバルに打ち砕かれ、また次の魔球を生み出さなければならなくなる。
科学的にどうだとか、非現実的だとか、そんなことは一切関係ない。
そのひたむきな努力と真剣な眼差しに、少年は心を打たれるのだ。
注がれる血と汗と涙に、弛まぬ努力に、子供心に感銘を受けるのだ。
きっとこの熱さは、世代じゃない人には伝わらないだろう。
でも僕は何度でも言いたい。魔球には夢があるのだと。
あーだめだ。カラオケ行こう。
カラオケに行って童夢くんのオープニングテーマの「ボクらの夢によろしく」を歌わなければこの熱さは収まりそうにない。
(ちなみに歌っているのは勝俣州和がかつてメンバーだったCHA-CHAである。ていうか誰が拾えるんだこの話?)
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