第15話 星野青年

  星野は、殴るように代金を置き、喫茶店を飛び出すと、美しい女神に電話をかけた。

「っもしもし!」

「はい?」

女神の声に、星野の頬がやや上気した。

「あの!やっぱり俺は、あなたが好きだ!」

「......それで?」

「だから、その、せめて、友達とかでいませんか?」

受話器の向こうで、クスりと笑う声がする。

「別に構いませんよ」

星野は、ガッツポーズした手をそのまま、天に向かって突き上げた。

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