使えないスキルほど役に立つ。



 前回にチラっと言ってた「すべての経験は無駄じゃない」ってやつなんですけど、なんでそれに気づいたのかって話をしようと思います。

 話せば長いことながら、内容は単純なんですけど。




 昔、付き合ってた人は「面白い切り返し」を求める不思議な人でした。

 何かと会話の合間に「今の返しつまらない!」とか、「上手いこと言ったな!」とか言ってくるんです。そんなことを毎回されたら、自然と「面白いことを言わないと」みたいな謎の使命感を持ってしまうわけでして。

 そうしたら嫌でも身についちゃいますよね。

 色々な意味でアレな人でしたが、毎回デートで与えられるの妙な緊張感は私の「経験値」として着々と会話力のレベルを上げていったのです。


 レベルの上がった会話力なんですけど、営業職なら多少はアドバンテージとなったかもしれません。

 しかし残念なことに私の仕事は事務職で内勤がほとんど。客先と会話することもなく、会話力なんて必要とされていません。




 あー、無駄なことやってたなぁーって、さすがに思いましたね。

 別にお笑い芸人でもないのに、面白いツッコミとかできてもしょうがないじゃないですか。むしろそこらの芸人よりも面白くなる自信はあるくらいですが、それこそ役に立たないわけでして。

 でもね、この会話力が思わぬところで威力を発揮したんですよ。


 え? どこに会話力が必要になるかって?


 いやいや何をとぼけたことを言ってるんですか。私は「兼業作家」ですよ。

 作家業……私の場合は小説を書いていますから、そこで役立ちましたよ。

 やったね!


 ……。


 はい、というわけで。

 たいしてチートではなかった会話スキルなんですけど、これは小説を書くならすごく役に立ちます。作中でキャラクターたちが会話をするシーン、それを描くのが楽なんです。

 楽……というか、もう何も考えなくても勝手に出てきます。びっくりです。

 ここで皆さん「キャラ同士の会話くらい普通に出てくるだろ」と思われるかもしれません。

 そのとおりです。会話くらい日常で行なわれていることであり、よほどのことがないかぎり皆さんのほとんどが「経験」していることですからね。

 会話スキルが高いと、何がすごいかって「面白い」会話を書くことができるんですよ。

 やったね!


 ……。


 えー、まだ弱いですか?

 それならこれはどうでしょう。

 私は会話文なら通常の20%くらいの力で書けます。

 しかも、めちゃくちゃ面白い(当社比)会話をしているキャラクターが描けます。

 面白いのを書こうとしなくても書けます。

 やったね!


 ……。(しつこい)




 そんなやこんなやで、皆さん「すべての経験は無駄じゃない」について少しずつ分かってきたのではないでしょうか。

 私はすでに何が言いたかったのか、さっぱり分からなくなっています。

 皆さんも無駄だった経験をしていたら考えてみてください。もし創作をされている方であれば分かると思います。


 「すべての経験は無駄じゃない」ことを。





 次回は「経験がセンスに変わる」をお送りします。

 でも気分で変わるかも。うへへ。



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