第42話

5kmの間に、真剣に考えるなんて無茶言う。

でも、走ってるときって無心だから

彼らにはいい刺激になるのか、

それとも

うざいと思われてるんだろうか。


俺の真後ろにぴったり走る彼を除いては

年相応な反応だった。

俺も、中学当時は同じことを言われて

でもさっぱりだった。


なんのため?なんて


でも、今ならなんとなく受け取れる。

大人になって、

まだなってないかもしれないけど。


真剣にコーチライセンスを学ぼうと思うようになったのは、

親父の影響は大きい。


自分が現役としてか、これからの日本の選手を養成する側か

真剣に悩んだ。

そして養成する者を指導者の人材を養成、俺の親父だ。

親父はプロチームの指導者だから。

選手だけじゃチームは強くならない。

指導者が強くなきゃ

チームは強くならない。

だから、この合宿は俺にとってもスタートなんだ。


彼らはまだ中学生かもしれない。

俺だってまだ大学選手だ。

一緒に強くなれるか。一緒に成長してくれるだろうか。

これから出会う若者と

世界を目指すために

俺はここにいる。



”なぜバスケットボールをするのか。

なぜ強くなりたいのか。”


親父、そんなの決まってる。

テッペンとるためだ。

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