幼稚園の頃

その1

我が家は特殊です。



父と私は霊感があります。母は霊感はありませんが幽霊に好かれやすいです。




これは私が幼稚園児だった頃の話です。



他県に住んでる祖父がたまに我が家へ泊まりに来る際に祖父の部屋になってる和室でのことです。



母に迎えに来てもらって幼稚園から帰って来て、鞄を置いて和室に走りました。



「おばーちゃん、ただいま!」


「あら、おかえりー」



母は私を家に入れたあとすぐに買い物へ行き、父は仕事。


私は祖母と二人で楽しく話をしていました。



今日は○○ちゃんといっしょにあそんだ!


×××くんがいじわるするー!



と、幼稚園であったことを話していました。



そのときちょうど母が帰って来ましたが、話すことに夢中で気づかなかった私はそのまま祖母と話していました。



和室の前を通った母が、



「……あんた、誰と話してんの?」



と聞いてくるまでは。



母が顔を青くしていることに不思議に思いながら、



「おばーちゃん!ずっとここにいるじゃん」



と和室の隅っこを指差しました。祖母は隅っこに正座していました。




それがきっかけで“人には見えないものが見えている”ことを自覚しました。




あとから知ったことですが、祖母は父が学生時代に亡くなっていたのだそうです。

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