○七月二十日

 何故かおもむろに料理大会になった。


 昨日の余波か、最初はあっきーが甘いもの食べたさにパウンドケーキを作り始めた。あっきーが包丁を持っているのを見るのは心臓に悪いけど、お菓子ならあまり包丁を使わないので、こっちとしても安心。

 でも一回盛大に転んで、危うくボールの中身を全部ぶちまけそうになってた。死守してたから無事だったけど。


 あっきーが作っているのを見てなっちゃんも不可解なものを作り始めた。

 いや食べられるものではあるんだけど、とりあえずその辺にあったビスケットとかパンとかりんご丸ごと一個とかを全部チョコでコーティングした凄まじいものを作っていた。冷蔵庫の中がチョコだらけになった。

 そのまま食べる訳にはいかなかったんだろうか、その大量の板チョコ。本人はうれしそうだったからまぁいっか。


 その隣でつっきーは、二人から拝借した材料でカップケーキを作り始めた。

 発想は悪くなかったけど、フィーリングで作業したもんだから、出来上がったカップケーキは墨になっていた。

 チョコを粗末にするなと三十分なっちゃんに説教されていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る