Sheh.10 天の原――

君と出会って初めての

距離一千の恋慕の日々

あくせく働いて

ふと思い出す愛しの人

隔てるは

荒れ狂う波

猛々しき山

万に横たわる


久方に君の声を聞きながら

月を見上げる

こうして離れていても

同じ月を見ているとは

古代よりよく言ったものだと


しかし憤慨して返された

何を言うの

日の出とともに出勤し

星落ちる頃、家に帰り

まぶたは落ちきり

月など見上げられる

ものですか


そう言うものだから送ってあげた

同じ電球

同じ会社の

同じ型番

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