意図とその周辺

 『こちら異世界放送局』でやろうとしたことは非常に明確だった。


・本気で異世界転生をやる

・ライトノベルの読者の好きな要素をできるだけ詰め込む


 この二つだけ。


 異世界+○○っていう流れは確実にあったので、その中で誰もまだやってなさそうなことを探した結果、“映像”ではないかという答えに至った。


 じゃあこっちで放送関係に詳しい人が異世界転生すりゃいいよねってことで放送部員の男子学生を主人公に設定。

 基本的にラノベの主人公は男のほうが売れるからね。


 そしてチートとハーレム。


 チートに関してはテレビのない世界にテレビを広める段階でいくらでもぶち込める気がしていた。実際に受けている映像コンテンツの焼き回しを異世界でやって、周りにすごいですーって言わせればいいだけだし。


 ハーレムはとにかく出てくる女が全員主人公に惚れたらそれでいい。

 ハプニング体質の美少女、俺っ娘でニュースキャスターというギャップ萌え、黒髪メガネの図書館司書、トラウマを持つ美少女剣士。四人もいれば十分なはずだ。


 こうしてライトノベルに詰め込むべき物は全て詰め込むことができた。


 ……で、締めはどうしようか?


 読者受けする要素を詰め込むだけ詰め込んだものの、僕はこの物語のラストシーンをこの地点でまったく用意していなかった。

 だがそれはすぐに解決した。

 ばらまいてきた物を最後に回収してやればいいのだ。

 そんなわけで物語の着地として考えた第五話のプロットなのだが……残念ながらあまりにもラノベらしくないものになる。


 続きは次項で。

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