官能的なピカレスクでした。繊細なタッチで哀愁な雰囲気が愛おしさを増します。徐々に込み上げてくる寂寞とした感情のやり場に困って、切なさを覚えました。作品世界にのめり込んで、はらはらして、込み上げるものがあって、余韻に浸って放心しました。いい作品でした。ありがとうございます。
強盗で生計を立てる二人の女性。互いに欠けたものを補い合いながら、生きていこうとするが、非情な現実が立ちふさがる。 犯罪被害者が加害者にもなりうるという説得力のある作品でした。
とても素敵。簡潔としてるんだけど、深みがある。彼女が彼女にとってヒーローなのも、替えがたい存在なのも、短文なのにしっかり伝わってきました。全然無理がないです。 表現力の成せるものなのか、構想力の成せるものなのか…どっちもか!是非ご一読ください。
話数と体感が比例しない。映画一本観た感覚。
これでたったの14000字かというのが読み終わった感想。一文あたりの情報量が多くて少ない文字数できっちり主役ふたりの関係性を積み上げていて、その溜めがあるからこそラストの展開がきっちりと効いています。中篇以上の規模にも耐えるプロットだと思うので、これを再構成してみてもよいと思いますし、新作も読みたいです。
無駄なく積み上げられたエピソードがそれぞれ最大の効果を発揮している、バディもののお手本のような作品。ドライな殺意と暴力にあふれた世界だからこそ、ウェットな部分が映える。鮮烈な印象を残すラストも名画のワンシーンのように決まっている。
血と硝煙の匂い漂うクライムアクション。そして百合。正直この規模の短編としてはありえない密度ですし、ラストシーンの美しさにいたっては目を疑うほど。これが今年の電◯とかガガガ大賞受賞作の試し読みですと言われたら信じてしまいそうなレベル。こわい。KUSO創作やってみましたーみたいなノリでモモモにぶちこんで終わりじゃなくてあと4話くらい同じ完成度で仕上げてシリーズにしてでかいコンテストに出そう!!もったいなさすぎて悲鳴あげてしまうよ!(キレ気味