第13話

千坂 璃乃 side


パウンドケーキを渡してから、ずっと桐山君の笑顔が頭から離れない。

あと、胸のこの高鳴りはなんだろう……。

心臓うるさいな。望帆に相談しようにも、あの子弓道部行ったからなあ……。

望帆終わるの待つとか馬鹿らしいから待たない。

何時になるかわからないし。

こーゆー時、帰宅部って暇だなあ……。


まぁ何も無いので帰るんだけど。

学校うろうろしてても何もないし、勉強でもしようかな〜。

あ、パウンドケーキ余ったし、それ食べよ。


もう、この頃には、桐山くんのことは頭にはなかった。

パウンドケーキに完全に移っていた。




スマホがチカチカ点滅することに気づき画面をつけると、望帆からLimeが来ていた。


-望帆-

璃乃!!!!!渡せた?!うまく渡せた?!てか受け取ってもらえた?!


文面からうるささが伝わってくるとか流石望帆。

部活終わりのはずなのにすごいテンション。


-璃乃-

渡せたよ。望帆Limeでもうるさい。


ふと、桐山くんのあの笑顔が脳裏に浮かぶ。

なんだこの恥ずかしさは……。

望帆に相談……してもまともな返事は返ってこなさそう。

誰に相談しようかな……。

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