第9話

月曜日。今日は貧血なさそう。

集会もないし。

毎回毎回倒れてられないし。

今日は、桐山くんにパウンドケーキ渡すんだし。

元気に行かなくちゃ〜。


「おっはよー!」

「望帆朝からうるさい……。」


学校につくなり望帆が大きい声で挨拶してくる。

朝から耳がキーンってなる。

勘弁して〜。


「朝から元気ね……。」

「璃乃は元気ないね!」

「いつもこんなのよ。」


望帆は元気すぎるのよ。

低血圧の私には辛い。

桐山くん、は、まだ来ていないんだよねえ。

いつも授業ギリギリだっけ。


「ねぇ璃乃〜」

「なに?」

「本当にあんな奴にパウンドケーキあげるの〜?」


小声で望帆が訪ねてくる。

本当に嫌いなんだね〜。

何が嫌なのか、私にはわからない。

いい人なのにあ。


「あげるよ。お礼だもん。そのために作ったんだし。」

「そう、だよねぇ……。」


そうこうしているうちにチャイムがなり、望帆は自分の席についた。

それとほぼ同時に桐山君も入ってきた。

余裕そうに入ってくるから遅刻ではないんだろうな。

計算してるのかな?


「……おはよう桐山くん」

「お?……おう。」


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