第四章 鳴と物  … 参

〈参〉

「はぁー。緊張した」

 司令部室を出た三人は、ティエラとともに廊下を歩いていた。

「いやぁ、わかるよエリたそ。なんかさ、あそこって堅苦しいんだよねぇ。もっとこう、クラッカーとか持って、『ぱぁーん! おめでとう!』みたいなことしたいなぁ」

 廊下をしばらく行ったところで、ようやく一息ついた月島に対し、ティエラも労うように賛同した。

 ちなみに、ティエラの言う「エリたそ」とは無論、月島えりのことだ。

「あ、いいですねぇ。そういうの楽しそう」

「でしょ、でしょ?」

 二人で盛り上がるティエラと月島を見て、前を歩くヒヴァナとルーンが困惑の表情を浮かべた。

「まったく。軍のトップたる総轄部の一員がそういうことを言ってどうするんだい」

「そうですよ。ここは児童所でも孤児院でもないんです。いいわけがありません」

「そ、そうですよね……」

「二人ってば、辛辣ぅ」

 二人からバッサリと切り捨てられ、月島は苦笑いを浮かべ、ティエラは小さく口を尖らせた。

 話の途中で、月島は思い切って質問をぶつけてみた。

「あの、一つ質問良いですか?」

「なんだい?」

「良いけど、どうしたの?」

「先ほどの説明で、最後軍の構成の紹介がありましたけど、『第四小団』だけが無いのは、何か特別な理由でもあるんですか?」

 月島本人は、さして深い理由のない、純粋で素朴な質問のつもりだった。だが、彼女以外の三人、特にヒヴァナの表情が一瞬曇るのを彼女は感じ取った。

「あ、すいません。変なこと聞いちゃいましたね。忘れて下さい」

「理由なんてないよ」

「え?」

 慌てて撤回しようとする月島の言葉を遮るように、言い終わるよりも先にヒヴァナが口を開いた。

 一番表情を曇らせていたヒヴァナが返答するのを見て、月島はもちろん、他の二人も目を丸くした。

「ヒヴァナっち……?」

「ヒヴァナさん……」

「理由は、ない。ただ人員がいないだけ。考えすぎだよ」

「あ、はい。わかりました……」



 ヒヴァナと別れた三人は、軍施設内にある食堂へ向かった。

「先ほどは、失礼しました」

「いやいや、顔上げて、エリたそ。さっきのは誰も悪くないから」

「事情を知らなかったら、誰だって気になることだし、普通に質問するはずだから」

「そうかもしれないですけど……」

「それに月島。仮に謝るとしても、それは私たちより、ヒヴァナさんのはずだから。今はもう、顔を上げてくれ」

 ルーンが彼女の肩に手を置いて諭すと、彼女は小さく頷いて上体を起こした。

 落ち込んでいる月島の様子を見ながら、ティエラは一口飲み物を飲むと、静かに話し始めた。

「本来の道理で言えば、本人の口から直接聞くのが一番だと思う。だから、これから話すのはオフレコと思って。つまらない、ただの噂話程度に」

「はい」

「昔、つい二十年位前までは、まだ第四小団は存在していて、その小団に、現総轄部のグルナ・マレドナの奥さん。リエさんって言ったかな。つまり、ヒヴァナっちのお母さんも所属してたの」

 ティエラの話を聞いていて、月島が小さく驚きの声を漏らした。

「え、ちょっと待ってください。あのグルナさんって、ヒヴァナさんのお父様だったんですか? 通りで名前が似てると思ったら、そういうことだったんですか」

「今頃気付いたのか? それより、注目するところはそこではないぞ」

「あ、ごめん」

「それでね? まだ、ルナたそも産まれてない頃の話になるんだけど、約十八年前、とある事件によって第四小団は、みな亡くなってしまったの」

「え、じゃあ……」

「うん、その時にヒヴァナっちのお母さんも……ただ、この件には不明な点が多くて、そもそもそのとき何が起きたのか、全滅した原因は何だったのか、それらは未だに分かってないの。それだけじゃなく、彼らの骨や死体も見つかってなくて、その場には彼らが身に着けていたと思われる装備や衣服が、焦げや灰が付いた状態で見つかっただけ。だから、厳密にはまだ失踪扱い」

「そんなことがあったんですね……」

「そう、だからこの件に関しては、特に上の立場の者になればなるほど、よりセンシティブになってるの。ちなみにこれは余談だけど、この一件を我々は『第四事件』と呼んでいるわ」

「『第四事件』……」

 暗い雰囲気になってしまった三人の空気を変えるように、ティエラがいつものキャラクターに戻って話題を変えて話し始めた。

「あ、ところでエリたそ☆ エリたそもめでたく入隊したわけだし、早いとこマイ武器を考えないとね☆」

「ま、マイ武器、ですか……?」

 月島がキョトンとした様子でいると、すかさずルーンが補足の説明を始めた。

「例えば、私だったら刀。ティエラさんなら銃。第五小団の隊員たちの多くは金属製の籠手を選ぶ。そんな感じで、自分の特性や好みに合わせて自分の武器を選ぶんだ」

「そういわれても、武器と呼べるものって持ったことないし……それに、考えたこともなかったから、イメージが湧かないや」

「そっかぁ、じゃあ実際に見てみる?」

 ティエラは顎に人差し指を当て、一瞬考えるそぶりを見せると、そのすぐ後には月島へ提案をした。月島とルーンは彼女の言葉に顔を見合わせる。

「実際に見る……?」

 ティエラの指示に従って部屋の隅によると、ティエラはその場で魔法陣を展開させた。

「軍の施設案内も兼ねて、実際に武器を見てもらうかな☆」

 月島は初めて、魔法陣で自分自身が移動をするという経験に、不安と高揚感でキョロキョロと周りを見回した。すると、そんな彼女の右手をルーンがそっと掴み、小さく首を横に振った。

「じっとしておいた方がいい」

 彼女の助言に従い、動きを止めたところで、月島は自分の足が地面から離れ、心臓が一瞬宙に浮くような、そんなあまり良い心地とは呼べない浮遊感を感じた。

 ふと視線を周りに移すと、周りは白い光に包まれ、足元の魔法陣だけが黄色く怪しい光を放っていた。

だが、それもしばらくするとあの浮遊感とともに落ち着き、先ほどまでいた食堂とは違う別の場所の景色が広がった。

月島たちがついた場所は、岩山に囲まれた荒々しい孤島で、そこに緑はほとんどなく、黒や灰色の世界だった。

「わぁ、すごい。いつの間にか別の場所に移動してる」

「月島、気分の悪さとかはないか?」

「うん、大丈夫。今は何ともないよ」

「珍しい、初体験の子は気分悪くする子多いのに。まぁいいや、それじゃあまずはここ、武道訓練場!☆」

 ティエラに導かれて辺りを見ていると、岩山と岩山の合間、ちょうど谷間の様な場所に岩盤を削って整地したような広場があった。

 広場では多くの人が集まって整列し、まさに今鍛錬を始めようというところだった。

「あそこまでどうやって行くんですか?」

「どうって、この階段を下りていくんだよ?」

 当然でしょ、とでも言いたげな口ぶりでティエラは月島の右手にある下り坂になった崖を指さした。

 恐る恐るのぞき込むと、崖の岩肌をなぞるように、その場しのぎのような、急ごしらえで造ったのかと思うような、ただ削り出しただけの階段が広場まで伸びていた。しかも、真下からは荒い海風が吹き上がり、その荒っぽさのままのぞき込む月島の顔や髪を撫で回していく。

 月島は思わず生唾を飲み込む。

「も、もしかして……ここを下りていくんですか?」

「それ以外にどこを下りるっていうの?」

「じゃ、じゃあ、さっきの魔法陣で……!」

「少しは体を使いなさい、月島」

「そもそもこの島内の移動のためのテレポーテーションは使用不可だよ?☆」

「えぇぇ……」

 崩れ落ちるようにその場に座り込む月島をしり目に、ルーンとティエラはどんどんと先を行き、階段を易々と下りていく。

「え、ま、待って」

「諦めてついて来な? 月島」

 徐々に姿が見えなくなって、地面の下に顔が隠れていく寸前、チラリと月島へ目線をやるルーンに向かって、彼女はぷぅっと頬を膨らませた。

「わかりました……」



 ティエラたちに後れを取りながら下りていく月島の姿を、広場にいた集団の一人が気づき、遠目にみていた。

「あれはティエラ嬢とルーンか……あの後ろのへっぴり腰は、誰だ?」

 筋肉隆々の大男が眉間にしわを寄せ、目を細めながら見ていると、男と比べると小柄だが、一般的な女性よりは体格も背丈も大きな女が、男の横っ腹をつつく。

「何見てんだよ。鍛錬の最中だろ?」

「ん? いやぁ、誰かこっちに来るな、と思ってよ」

「あら、ほんとだねぇ」

 

 しばらくしてルーンたちは広場に辿り着いた。月島も何とか辿り着き、足を震わせながら広場の上に立つ。

「や、やっとついた……」

「よぅ、久々に顔見たぜ、お嬢」

「お嬢がこんなところに来るなんて、いつ振りだろうねぇ」

「だって、こっちに来る用ってないんだもん」

 ティエラとボディビルのような二人が離している姿を後ろから眺めながら、ルーンと月島はひそひそと言葉を交わす。

「ティエラさん、ここではお嬢って呼ばれてるんだね」

「みたいだな」

「用がないって、別に遠慮なく鍛えに来ればいいじゃねぇか。なぁ、エミール」

「そうだよ、毎日だって来ればいいんだ」

「やめてよ、あなたたち筋肉馬鹿と一緒にしないで」

 ティエラは呆れたような表情を見せるが、一方の男女は、全く気にもしていないようだ。

「今日だって、お嬢たちは鍛えに来たんだろ? それも新人も連れて。そちらさんは、ルーンの親戚かな?」

 男は月島のことを指さした。指をさすときも筋肉を意識しているのか、それとも勝手にそうなるのか、動作のたびに胸のあたりや二の腕の部分の筋肉が盛り上がった。

「あ、いえ、私は月島えりと申します。あと、ルーンちゃんの親戚でも何でもありません」

「なに、違うのか」

「それにしてはそっくりでしょ」

 目を丸くする筋肉男と筋肉女。彼らが言いそうなセリフをティエラが先回りする。それを聞いて男は腕組をしながら大いに頷いてみせる。

「確かに、鍛えがいがありそうな子だな」

「全くだよロッソ。私もそう思っていたところさ」

「意見が合うなぁ」

「意見が合うねぇ」

「一生やっててよ、筋肉馬鹿夫婦」

 楽しそうに高らかに笑いあう二人を見ながら、ティエラは軽く頭を抱えた。

「あの、この方たちはどういった方たちなんですか?」

「この二人は、こう見えて第五小団の隊長と副隊長だよ。男性の方がロッソ・ダリア隊長。そして女性がエミール・ダリア副隊長。名前からわかると思うけど、二人は夫婦。この軍の中でもよく知られた仲良し夫婦よ」

「確かに、仲良さそうですよね」

「あぁ、私もお二人が喧嘩をしている姿は、一度も見たことがない」

 ルーンの言葉にロッソが反応した。二人の方を見て彼は笑いながら答えた。

「それはそうだろう、なにせ、エミールと一度も喧嘩したことがないからな。理由は簡単、喧嘩をする理由もなければ、喧嘩という概念もないからだ」

「私だってそうさ。ロッソと喧嘩する理由がないし、そもそも私の中にも喧嘩の概念がない。だから喧嘩はしないのさ」

「へぇー、なんだか素敵ですね」

「ま、ただ単に能天気ってだけとも言えるけど。それはそうとして、ロッソとエミールにお願いがあるの」

「お願い?」

「なんだい、そりゃ」

「急で悪いんだけど、エリたそに、少し武具を見せてあげてほしいの。初めての武器選びに参考にしてもらおうと思って」

「すいません、拝見してもいいですか?」

「なるほどな。あぁ、構わないよ」

 月島は本題を思い出し、ロッソたちのつけているガントレットを見せてもらった。

「ほら、落っことすなよ?」

「え……うわっ、重たい!」

 ロッソから受け取るなり、両手で持っても落としそうになるほど月島にとってはとても重く、持ち上げることもできない様子を見てロッソは笑いながらガントレットを月島の腕からひょいっと取り上げた。

「ははは、やはり重たいだろう。比重の重い金属で、俺の腕の大きさに合わせて特注してあるから、その分、重くて硬くてデカい。どうだ、素晴らしいだろう?」

「は、はい……凄いです……」

 想像以上に重い物を持って、少し腰を抜かしてしまった月島は、ルーンの手を借りてゆっくり立ち上がった。

「あの、エミールさんはロッソさんのような武具はつけていらっしゃらないんですね」

「あぁ、そうさ。私はロッソほど体格は大きくないし、どうしても筋肉量は少ない。だけど、その分スピードを追求しようと思ってね。一部ではセスタスって呼ばれてるらしいんだけど、私はこの、堅い革紐をテーピングのように腕に巻き付けてるのさ」

 そう説明しながら、エミールは月島の前に拳を突き出した。彼女は自分でも革紐を触ってみせながら、月島も触るよう促す。

 興味津々で革紐を触る月島の姿を見て、エミールはあることを思いついた。

「ねぇあんた、エリィって言ったっけ? ちょっと私の腹を殴ってみな」

「え、エミールさんのおなかを殴るんですか?」

「あぁ、そうさ。何、遠慮は無用だよ」

 突然の展開に、月島はルーンやティエラたちの顔を見て反応を確かめるものの、彼女たちに特別慌てた様子はなく、月島は諦めてエミールに対峙した。

「わ、わかりました。いきます!」

 彼女の真剣な表情に思わず息をのむルーンとティエラ、そしてロッソ。また、拳を受けるエミールも無意識に腹筋に力が入る。

 月島は軽く腰を落とすと、相手の懐に飛び込むように足を大きく踏み込み、振りかぶった拳を真っ直ぐエミールの腹へ打ち込んだ。

(ぽふっ)

「え?」

 やや前のめりで月島のパンチを見ていた彼女たちは、気の抜けた打撃音を聞いて肩透かしを食らったような気分になった。

 一方彼女のパンチを受け止めたエミールも、あまりにも予想に反した柔らかい打撃に、むしろくすぐったいような感覚を覚えた。一方、当の月島はどこかやり切ったような表情をしている。

「どうですか? テレビで見たパンチのシーンを、見よう見まねでやってみたんですけど」

「ぷっ、ぷははははっ。なんだいそれ。全然なってないよ」

「えぇ?!」

「むしろ、あんなパンチでイケたと思ったのか」

「エリたそ、ウケるんですけどぉー」

「え、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか。ルーンちゃんまで笑ってるし」

 ティエラたちが声を上げて笑う中、普段あまり感情を表に出さないルーンまでもが口元を隠し、顔をそらしながら笑うのを必死に堪えていた。

「いや……笑ってない、笑ってない……」

「思い切り笑ってるじゃん。肩、めちゃくちゃ震えてるし」

 少し拗ねた表情になる月島に、エミールが笑いすぎで溢れた涙を拭いながら、声をかけた。

「エリィ、そんなパンチじゃあかわされちまうよ。見た感じ筋肉もなさそうだし、あと……」

 エミールは話しながら月島に手を差し出した。月島が出された手を何の警戒もなく握ると、突然彼女の手が引っ張られた。

 瞬間、気の抜けた彼女の声が漏れるとともに、大きく体勢を崩され、前のめりによろけた。

「ひゃぁっ!?」

「やっぱり、体幹が全然しっかりしてないね。それじゃあ良いパンチは勿論、他の剣術も銃を撃つのも難しいだろうね」

「は、はい……」

 人前で変な声を出してしまったことに赤面しながら、月島はエミールの言葉を聞いた。思えばこれまで、体を動かす、ということからは距離を置く生活を送ってきた。体を動かせるようになり、またこの軍に入隊した今、今まで離れていたものと向き合う時が来たのか、と月島は思った。

「だがしかし、心配はご無用だ。我々第五小団の仲間となり、ともに体を鍛えれば、君もすぐに我々のように——」

「はいはい、わかったよロッソ。それより、トレーニングの時間だよ」

「あ、いや、まだ話は終わってないぞ……」

 ロッソが自慢の筋肉を見せつけながら月島の勧誘を始めたが、それをエミールが途中で遮り、そのまま彼を、離れたところで柔軟をしながら彼らのことを待っていた隊員たちの方へ押しやった。

「さて、ということでお嬢、申し訳ない。私たちとしては今の彼女に私たちのプレイスタイルはお勧めできない」

「うん、いいよ。正直、エリたそは武闘派じゃないなと思ってたし」

「え、わかってて連れてきたんですか?」

 ティエラの顔を目を丸くして見つめ、それから先ほど来た道を月島は振り返る。

「ちなみに月島。今からここをまた帰るからな」

「もう、わかってたことだけど、敢えて言わないでよ」

「エリたその挨拶回りでもあるんだから、今回だけと思って許して」

「ロッソじゃないけど、それこそ毎日でも来ていいんだよ?」

 エミールは意地悪そうな笑みから優しい笑みに戻すと、月島の肩にそっと手を置いた。

「今回は断るけど、それは別にあんたのことが嫌いで言ってるんじゃないよ? あんたはあんたで、今の自分に合うものってのが必ずあるはずなんだ。今の自分、これからの自分、その時その時にできること、得意なものを見つけたらいいよ。その上で武闘派に来たいって言うなら、全然歓迎するよ? その代わり、その時は勿論手加減はしないけどね」

「はい、ありがとうございます」

「それじゃあ、エリたそ、ルナたそ、戻ろっか」

 ルーンと月島は、エミールや後方でトレーニングを始めていたロッソと第五小団に礼をし、ティエラを先頭に元来た道を戻った。

 途中、月島は振り返るも、ロッソやエミールたちはもうトレーニングに入っており、こちらは見ていなかった。



 一度、軍本部に戻ってきた彼女たちは、次に行くところを話していた。

「次は第七小団ですか? それとも、第二小団に挨拶に行きますか?」

「どうする? 次行くところはエリたそが選んでいいよ☆」

「それじゃあ、次は刀が見てみたいです」

「そう、わかった☆ で、ちなみになんだけど、それはどうして?☆」

「ロッソさんやエミールさんに会って、話を聞きながら考えてたんです。自分が気になるもの、今の自分に合いそうなものって何だろうって。そしたら、そういえば私、初めて間近に見て実際に触れた武器って、刀だったなって思いだしたんです。だから、今度はちゃんと、じっくり見たいなって思って選びました」

 月島の言葉を聞いてティエラは悔しそうな顔をするが、しかし、どこか予想していたようにも見えた。

 ティエラは話を聞き終えると小さく頷いてみせる。

「銃器技能長でもある私としてはちょっと悔しいけど、その口ぶりだとほぼ心は決まってるっぽいね。わかった。それならとっておきの場所があるの。それに、ちょうどそこに行く用事もあるしね☆」

「そこに行く用事?」

 ルーンと月島は息ピッタリに疑問を漏らすと、顔を見合わせた。


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