エピローグ



 そんなこんなで、俺が望んだとおりになってしまったわけだか二人の結婚には大きな問題が一つだけあった。


「えぇっ、結婚のことを誰にも言ってないの?」


 アクアが声を上げる。

 それはこの王子様が、王子であったことだった。


「まぁ、言ったところで反対は目に見えてるからな」

「そうなんだよ、ライフ! だから事後報告する事にした」


 俺は「事後報告ってなぁ」とコーヒーを啜りながら苦笑う。城から持ってきたのか、いつものラフな格好とは違い、綺麗めな格好を纏う王子。アクアも馬子にも衣装ってやつで、なかなか綺麗だった。花嫁衣裳だ。


「それこそ大問題よ。反対が何よ、啖呵切ってやるわ」


 男らしくそう言い切ったアクアに俺と王子様は顔を見合わせて大笑いした。

 我が娘ながら、カッコイイなぁ、本当。


「おまえのそういう所、飽きないよな」


「はぁ? 二人して何笑ってんのよ!? ……っもう、行くわよ!!」


 白いベールの中で赤い髪が揺れた。


「え、どこに?」


 今度引かれているのは王子様の手だ。


「決まってるでしょ? お城!!」

「ええぇ!? 本気で言ってんのか?」


 俺はコーヒーのカップを机に置いて頬杖を付いた。


「王子様よ、こいつが冗談でこんな事言うわけないだろ?」


 にぃ、と口角を上げる。


「アクア、かましてこい」


 すると、アクアも「もちろん」と言いたげに不敵な笑みをのせた。


「いってきます!」

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属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか? 成瀬 灯 @kimito-yua

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