もどかしい家族愛の一例。南国よりも雪国が似合うドラマ。

光に影は付きもの。よほど脳天気で裕福な者でなければ、人生なんて良い時も悪い時もある。歳を重ねれば、背後には消してしまいたい過去が積み上がる。
女性なりの後悔を抱えて今を生きている主人公に訪れた天啓。「天啓」の具体化って、こう言う物語に仕立てるのね。
しかも、舞台は北欧の冬と来ている。出会いは教会。サンタクロースは現れないけど、神様が見守っていると感じさせる物語。

児童書を中学生向けにバージョンアップしました、みたいな。でも、大人の読者も退屈させないでしょう。
書いていて思い出したが、宮沢賢治の世界に似ている。銀河鉄道よりはグスコーブドリの伝記かな。ドンピシャの賢治作品は無さそうだけど、優しくて哀しい物語です。

別作の「ランランとシャオゴウ」も中々に良い作品でした。
「白矢の雨」なんて、何て言うんだろう。ちょっと迫ってくるような。手塚治虫先生の「どろろ」を大人向けにした感じですかね。こちらも一読を。

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