第五話 第三の……あ、おい!もう終わり!?

 まずはAmazonアカウントを作りましょう。


 まあ、今日び大抵の人がお持ちなのでは、と。虚仮橋はもうすっかり本屋で小説や漫画を買うことの方が少なくなってしまったくらいです。つーか、めったに店頭で買わない。買うとすると雑誌とか週刊誌くらいですかね。あとはドライブムックとかー。ともかく、Amazonアカウントがないと話が始まりませんので、「個人情報取られるっ!」とかゴタク抜かさないでとっとと作りやがれコラ。



 そうしたら「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」へ早速アクセス。


 んでサインイン。


 https://kdp.amazon.co.jp/



 ここから「新しいタイトルを追加」でデータをアップロードするのですが、作業前に予め注意点を予習。



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・ロイヤリティは七〇%もしくは三五%から選択。ただし七〇%には条件が


「ロイヤリティ」とは、特定の権利を利用する際に利用者がその権利を持つ者に対して支払う対価のことです。と、小難しく言うと分かりにくいですが、要するに俗に言う「印税」って奴。さらに乱暴に噛み砕くと、Amazonのショバ代をさっぴかれた後の「俺っちの取り分」です。実際には税金(後述)だー何だーとあるので、取り分イコール七〇%じゃないんですがー。


「つか選択つっても、これで三五%にする香具師アフォだろテラワロスwww」という方もいると思いますが、七〇%にするためには条件があります。それが「KDPセレクト」への合意で、最低限これがないと「七〇%のロイヤリティ」は選択できません。


 この「KDPセレクト」というのは、ざっくり言ってしまうと、Amazonへデジタル版の独占販売権を許可することです。なので「KDPセレクト」に登録してしまうと他のオンライン販売では売れなくなります。あくまで「デジタル版」なので、イベントでの頒布は問題ないはず。あと、無償での公開なども違反にあたるようです。メロンとかで現物を委託販売している場合には……デジタル版の話なので該当しないのではと思います。また、これは当たり前ですが、パブリックドメインに該当する物はNGです。そもそも自分自身が独占販売権を持っていませんしね。



 蛇足ですが、最近イベント会場で入手した同人誌を勝手にデジタル化してKindleで販売しているケースがあるんだそうな……。怖い怖い。ふう、売れっ子じゃなくてよかった(自虐)。




・ここで登録する内容がそのままAmazonサイト上で表示される


 ここで設定した表紙タイトルや画像、内容紹介文はAmazonにてチェックはしますが、基本的に無修正でそのままAmazonサイト上に公開されます。というか、申請された内容を正として処理するので、むしろとんでもない間違いをしていたとしても、よほどのことがない限りAmazonで変更したり修正したりはしてくれません。なので、ぶっつけで入れるのではなく、予め必要な項目をチェックしておいて、一通り準備した上でトライした方がいいと思います。


 特に内容紹介文。ここの出来不出来で売れる売れないがはっきりすると思います。いろんな同ジャンルの競合商品から商業誌まで広く見聞して、参考にした上で自分なりのものを考えた方がいいです。ウェブプログラムでは、一定時間操作しないとセッションを切断するものもあるので、



 必死こいて頭悩まして秀逸な文章考案

   ↓

 セッション切れで強制ログアウト

   ↓

 やべさっきの直入力だったから全部消えくぁwせdrftgyふじこlp



 なんて流れは十分アリエール。ゆめゆめ油断めさるな。




・本を登録するカテゴリーを考えておく


 とか簡単にいっちゃってるけれど、虚仮橋が一番頭を悩ませたのはココ。つーかですね……二個しか選べないんですよ、これ。しかも、そのものズバリが分かりにくい。フィクション or ノンフィクションまではいいとして、フィクション選ぶと次の分岐がフィクション or 青少年向けフィクション。たぶんこれって「青少年向け~」イコールラノベ的な話なのかなあ。いまだに分からん。そしてさらに深く入り組んだ階層へー。


 虚仮橋は面倒臭がりなのでやりませんでしたが、そのジャンルで実際に売られている本がどういうものかをAmazonサイトでチェックするといいんでしょうね。




・本の販売価格を決める


 これはある意味簡単で、ある意味超難しい。これについてはさまざまな意見が飛び交ってますが、個人的には、デジタル版だからといって無闇に価格を下げるのは反対です。かといって同じでもよくない。虚仮橋的には「六掛け」から「七掛け」、つまり定価の六~七割で設定しています。最初は「七掛け」だけにしていたのですが、買い手の立場になってみるとちょっと高め……。気分的に半額は嫌でしたので「六掛け」から「七掛け」としました。


 某所でご活躍中の伊集院光先生は「だいたい一〇,〇〇〇文字で一〇〇円」とかで販売しているようです。鈴木みそ先生は一巻を一〇〇円で、二巻以降を四五〇円で販売しているそう。いわゆるデアゴスティーニ商法。それでもそれほどボッタクリ感はないですね。


 やはり一〇〇円は強力で、この手法であればそこそこ知名度も稼げそうですよね。でも一点注意点があって、価格を一〇〇円に設定すると、先程のロイヤリティが三五%しか選べなくなります。うまいこととんとんで薄利多売となればいいですが、ここは個々の戦略次第でしょうね。

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 本当はもっといろいろありますが、最低限始めてみる分にはこの程度の知識で十分です。



 実際の手順としては、



 本の情報を登録

   ↓

 - ついでに表紙画像をアップ

   ↓

 - ついでに本のデータをアップ

   ↓

 価格を設定

   ↓

 Amazonにて審査

   ↓

 二十四~四十八時間後に販売開始



 てな感じです。


 かつては.docファイルを直接アップしていたので、本のデータをアップするところで体感三〇分近くかかっていましたが、光接続のLAN環境で五分程度。まあ前の場合には、.docから.htmlへの変換があったので余計に遅かったのでしょう。


 表紙のファイルもそれなりに時間を取られます。といっても一分くらい? ちなみにですが、ファイルの重さで配信費が別途著者負担で発生するようなので(一MB→一円?)画質を優先しつつもできる限りダイエットした方がいいようです。ちなみに、txtファイル系は元が元だけにあまりダイエット効果はありませんのであしからず。


 あとは価格の設定で、ドル・ベースで各国の価格をレート変換させることも可能ですが、我々の場合にはあくまでメイン市場が日本なのでチェックボックスを解除して手打ちで設定するといいと思います。



 で。

 あとは待つだけ。



 初回はそれなりに時間がかかります。大体二十四~三十六時間くらいで登録メアド宛に「お前の本は販売開始されたぜ!ワォ!」的なメールが届きます。



 おめでとう!!



「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」へアクセスすれば、最新の販売状況を確認できます。


 https://kdp.amazon.co.jp/


 ただ……そうそう簡単には売れません(笑)。


 最初は楽しみで毎日のようにチェックしますが、そのうち飽きます。まあ気長にーって。



 万が一ですが。


 出版内容に変更箇所がある場合には、いつでも修正ができます。ただし、毎回そのたびに再審査があり、十二時間後でないと反映されないと思った方がいいです。何度やっても怒られませんが、反映までタイムラグがあることに注意。あと、そんなに何回も直さないといけないようなものを世に出すと叩かれますし、リピーターにはなっていただけないと思います。虚仮橋も数少ないですが、レビューなどでご意見いただく際には真摯に受け止め、丁寧に対応するように心がけています。


 ちなみに修正して再審査を受けている間も、販売停止にはなりません。また最初の記事でも書きましたが、アップデート時には版数をカウントアップして、不具合を解消したことをアピールしましょう。



 要は、推敲をきちんとしなさい!ってことです。



 個人的な感想ですが、カクヨミストたちはこの推敲が甘い。誤字脱字は平気であるし、日本語にすらなっていないものが非常に多いです。偉そうに言っていますが、一応虚仮橋は虚仮橋なりに推敲の時間をかなり確保して、最低限2~3回の通しの読み直しの後で修正、修正、修正を繰り返してからアップしています。なので、一応、少しはエライと思う。自画自賛。いや、普通か。

 まあ、カクヨムの現状というか、在り方――気軽さ、自由さ、広がりやすさとは反しているかもしれませんが……。ダイレクト一発書き!みたいなことは決してしません(性格的にできないのです)。




 敢えて自戒の意味も含め書いておきます。推敲、大事。




 とりあえず、これで一旦終わりなのですが。


 ・何もしないと日本と米国、両方で税金とられるらしい。

 ・「KDPセレクト」の利用特典であるプロモーションも活用すべき?

 ・ぶっちゃけもっと売れるようにしたいよう。

 ・というのは半分冗談で、読者の感想・意見を拝聴したいなあ。


 という問題が残ります。



 特に一つ目の税金問題は解説必至なので、次回の記事にてまとめます。

 ぶっちゃけ一番タメになるのは次回と言ってもいいでしょう(w


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