ひとつの世界の創造と危機を物語る、壮大な叙事詩

閉ざされた世界”フェル・アルム”――〈永遠の千年〉と名付けられた王国で、ある変化が始まろうとしていた。
羊飼いの少年ルードは、幼い頃は「人に見えないもの」を見ることがあったが、十七歳になる頃には、そんなことはなくなって久しかった。建国千年を祝う祭りの日、ルードはとあるタール弾きと出会う。ハーンと名乗ったタール弾きの青年は、元戦士だった。
祭りから一ヶ月経った頃、ルードは、野原に倒れていた一人の少女と出会った。銀の髪もつ少女の美しさに惹かれるルード。そのとき、彼の運命は大きく変わり始めた――。

ひとりの平凡な少年が、謎の美少女ライカ、友であり導き手ハーンらと出会い、聖剣”ガザ・ルイアート”を得て、創世の謎と世界の危機に立ち向かう物語。


世界設定、伝説、歴史、魔法など、実に詳細に、緻密に創られた作品です。流れるような文章で描かれる世界の壮大さと美しさに息を呑みます。ひとりの少年が少女と出会い、友を得て戦うヒロイック・ファンタジーですが、叙事詩のような荘厳さをもっています。最後まで読み終えた時、彼等とともに旅を終えた満足感に、読者はひたることでしょう。