第2話覚えていますか?

桜も満開の今日この日、俺はドラマ制作会社に就職した。残された時間が人より少ない俺にとって、忙しいって有名な業界になぜわざわざ入ったかって?それには大きなきっかけがあったんだけど、それは、おいおい話す事にする。



「今日から、撮影部にお世話になります!山地証です!よろしくお願いいたします!」


撮影部でおれはしばらくカメラマンのアシスタントをする。カメアシ。でも、まさかラッキーだ。こんなに早く会えるなんて。手がかりだけで同じ業界で入社して、まさか同じ会社だったなんて。


見学させられたとある撮影現場で、カメラのレンズを覗く貴方に再開できるなんて……泉くん。


俺は迷わず休憩に入った所で声をかけに行った。後ろから、呼び止める声がしたけどお構いなしだ。


「あ、あの、覚えてます……?俺の事……

?」

「……ん?あー、えっと、今日から来るって言ってた新人?…えーと。わりー。わかんない……かも。どっかで会った?


だよな。覚えてないよな。しゃべったのは女の子の方だったし。貴方は優しい眼差しでみつめてた。


「…はい!三年前に、街中で、これもらいました!……彼女さんと幸せにやってますか?」


俺は、三年前に、彼と一緒にいた女の子からもらったミサンガを見せた。貴方達の手がかりだった唯一の俺の宝物。カメラのチャームが付いた手作りのミサンガ。


「……別れたよ。とっくに……もう一年半会ってないし、連絡先もブロックしてる………


「…………え?」


続きを聞きたかったが、彼は現場に戻ってしまった。

別れたって、凄い困るんだけど!なんなの??俺は、コンタクト外して彼の背中を視た。

「……時間が必要だった……彼らには……約束は守られる……」

一人ごとのようにぼそぼそ言っててきみが悪いかもしれないが、彼を守っている上の人たちと会話したら、そうこたえてくれた。


つまりは、彼らはよりを戻して結婚するけど、時間がひつようなのか?いつ?いつですか?それは、いつ??


「なんでだよ!!!」


いつ?にたいしての質問に、なにロマンチックな回答してんだよ!!なーにが、最高のタイミングで迎えにいく!だ!


さっさと迎えに行ってやれよな。これだから全くあの人は……。


「…なんで別れたかしらんけど、……愛してるってエネルギー駄々漏れだよ……」


俺は、そっとコンタクトを着け治した。


ほっといても結ばれるってわかってるけどさ、少しだけ見守らしてよ。心配なんだ。二人の事。信頼もしてる。大丈夫だと。だけどさ、泉くんの肩とか首に巻き付いてる執着のエネルギー、あれが気になる。心さんのものじゃない。だから、密かに彼等のキューピッドになる決意をした入社1日目。

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アネモネの花を君に @shiori0714

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