2-15 試験2日目 その10 本領発揮
ラミアは正面から襲ってきた。
僕はすかさず【スリップサーフェス】を使った。ラミアは滑って転んだ。
「さあシャーロット、行くんだ。」
おしりを叩いて、ラミアの方に向かわせた。
「ちょっと何さわってるの?もういい、えーい、覚悟ー!」
初めての幻獣に対してこの覚悟はある意味凄い。シャーロットはレイピアで攻撃した。やっぱり当たらない。
次、ショックを受けているクリスティーナを立たせて
「さあ、ラミアに魔法を!」
「え?え?魔法?魔法ね?やっ!」
クリスティーナは魔法をさっと構築し、【ファイアボール】がラミアに飛んでいく。すぐに対応出来るクリスティーナも凄い。でも、魔法はそれてラミアの横を通りすぎた。
「あなたたち、なかなかの攻撃ね。。。って当たっていないんだけど、どういうことなの?」
「そういうことだ。」
ラミアは起き上がり、シャーロットに尻尾で攻撃した。
シャーロットは攻撃を受け、こちらに飛んできた。安全のために、強力な【ディフェンドボディ】をかけていたのだか、さすがは幻獣だ、攻撃力はとても高い。シャーロットの腕から血が出ている。
「さあ、カレン、治療だ。」
「いやー!!」
頭をかかえてうつむいた。やっぱり無理だな。昨日の今日で出来るわけないか。
「さあ、どうするのあなたたち?」
「あのー、ちょっと待っていただけますか?」
「な、何?待つの?」
「少し時間をくれ。」
「何で私が待たないといけないのよ!」
「ちょっとパトリシア、話しておいて欲しいんだけど。」
「承知しました。」
パトリシアが陰から突然出てきた。ラミアは驚いたが、パトリシアと話し合いを始めた。
まずシャーロットのいるところへ向かう。
「このメガネをかけてみて。」
「何これ、何処から持ってきましたの?すっごくダサいんだけど。それより、怪我人にメガネ進めるなんて、どういった心境ですの?」
「まあ、血は出ているけど、かすり傷だ。大丈夫。それよりこれ着けて。」
「あなた、話聞いていないわね、分かったわよ、ほら着けたわっって何も変わらないじゃない!」
「それで良いんだ。それをつけたまま戦闘するんだ。」
次に、クリスティーナに声をかけた。
「まずクリスティーナ、この目薬を注して。」
「な、なに?これは?」
「君にとても有効な目薬だ。昨日の夜作ったんだ。」
「突然渡されても。。。何のために?あなたが作ったなんて、危なくないわよね?」
「大丈夫、僕を信じて!」
「それが信用出来ないんです!」
「まあそう言わずに、絶対効果あるから。」
クリスティーナは目薬を受け取り、左手で目薬を掲げ、右手で瞼を支える。左手を上げたことにより、薄いローブが肩まで下がり、その姿はいっそう男を魅了する妖艶な立ち振る舞いとなった。僕は見入ってしまっていた。
「いかんいかん、何考えてるんだ!」
「どうしたんですか?目薬注しましたよ。あ、なんだか目がスッキリしました。」
パトリシアはラミアとの話が終わったようだ。エリックに話しかけた。
「エリック様、話は理解してくれましたが、やっぱり戦って負けたら契約するとのことです。」
「分かった。よし、シャーロット、クリスティーナ、もう一度戦闘だ。」
「え~無理ですわ!」
「魔法当たらないから無理ですよ!」
「大丈夫、そのためのメガネと目薬なんだ。」
僕はラミアに【スキンオフ】と【スローステップ】をかけた。防御力が極端に下がり、動きがとても遅くなった。
「相手は動きが遅くなった。今がチャンス!」
「分かったわよ!」
シャーロットはメガネをかけたままラミアに向かい、剣で攻撃した。
「えいっって、え、剣が当たったわ。狙った通りに攻撃できていますわ!」
それと並行して、クリスティーナは魔法を構築し【ファイヤーボール】を飛ばした。今度は曲がらずにラミアに当たった。
「え?こんなに離れているのに、初めて当たった!!何で?」
「よーし、クリスティーナ、この調子よ!」
「そうね、シャーロットも凄いわ!!」
「いったーい!痛いじゃないの!」
ラミアは叫んだ。
「シャーロット、そのメガネは、君の【酔い】を抑えて、バランスを保つんだ。だから、相手を良く見れば、剣も当たるし、攻撃も見える。クリスティーナ、その目薬は、君の眼を保護する。だけど、目薬は一回しか効かないので、次魔法を使うときはまた点すんだ。」
彼女らは分かったと言って戦い続けた。良い感じだ。
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