第3話 村の少年はスナイパー

 村から北側にある草原を抜けた先にある2つの山。

 僕はその双子山のレフトマウンテンで山菜をとっていた。


 初夏のこの時期は美味しい山菜が取り放題だ!


 「あ!わらびの群生発見!ついてるー!」

 「こっちには、オークニラだ!」


 ひゃぁぁぁぁーーーー


 遠くからおっさんの悲鳴が聞こえる。

 隣の山を見ると近所のクロベおじさんが、鎧のような頑丈な毛皮を持つアーマーウルフに追われている。


 「た、たたた、大変だ!村に戻って助けを呼ばなきゃ!」


 走り出そうと思ったけど足が止まる。

 まてよ?スキルで届かないかな。


 スキル!≪超異次元召喚≫


 ・MP10% タマポチ 遠距離のため使用不可

 ・MP20% ギアメカ 使用可能

 ・MP30% アブソルブ 遠距離のため使用不可

 ・MP40% アドミン 条件不適合のため使用不可


 ギアメカ!!!


 ビシィビシィビシィビシィビシィビシィ…


 頭上の空間が大きくひび割れていき、大小様々だいしょうさまざまな歯車が大量に飛び出してくる。

 歯車はガシャン!ガシャン!と巨大な何かに組みあがっていく。


 ひゃぁぁぁぁーーーー

 ガウガウ


 クロベおじさんは転がるように斜面を走っているが、今にもアーマーウルフに追いつかれそうだ!

 「はやく!はやく!」


 ガシャン!ガシャン!と巨大な大砲を持つ巨大な鎧が組みあがり、大砲の先が光りだした。

 『エネルギーチャージ開始20%40%』


 ひゃぁぁぁぁーーーー

 ガウガウ がぶり

 「はやく!はやく!」


 『エネルギーチャージ80%160%320% 発射!!!』


    ォ 

 ォ    ォ

 チュドォォォォン!!!!

  ォ  ォ   ォ ォ


 99999ダメージ!


 付属効果で行動を3ターン停止 オーバーアクション!

 アーマーウルフ HP176→0


 ―― 1体のアーマーウルフを倒した。

 ―― 遠距離のため、通常経験値の取得はできなかった。

 ―― 超異次元召喚魔法Lv1 10/10

 ―― 超異次元召喚魔法がLv2成長した。


 「クロベおじさんを助けてくれて、ありがと!」

 ナイフのメンテナンス用に持っていた油瓶を差し出すと、巨大な鎧のお腹から釣竿のようなものが出てきて、釣竿の先から指二本の手が油瓶をつまみ異次元の隙間に消えていった。


 その日の夕食でとうさんとかーさんに今日あったことを話した。


 「僕、今日、もぐもぐ、アーマーウルフに追われていたクロベおじさん見たよ!」

 もぐもぐ

 「ああ。聞いた。なんでも尻を噛まれて、尻丸出しで帰ってきたらしいな。」

 「でも雷が落ちて、運よく助かったそうよ。かわいそうだから(お尻だしていたこと)言っちゃダメよ。」

 「うん。わかった。(たすけたこと)言わないよ。」

 もぐもぐ

 「かーさんのホルモン鍋はうまいな。」

 「ニカが新鮮なオークニラを取ってきてくれたからよ。」


 ――ギアメカ

  超異次元の騎士ナイト

   メガ粒子波動砲

    中から長距離の単体に貫通ダメージを与え、付属効果で3ターン停止させる。

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