第10話 CPIS多田との出会い

+CPIS多田との出会い


次の朝、リコは親のいない貧乏大学生なので、いつものように


大学の100円朝食目当てで学食に並んでいた。


食堂のおばちゃん「はい!リコちゃん!お待ち同様!」



リコ「いつも!すいません。」


リコ「あぁ・・コレコレ!100円朝食は貧乏学生の味方。」


そこに多田が現れた


多田「足立利虎(アダチ・トシトラ)君?」


リコ「アダチ・リコですけど・・・」


多田「キラキラネームか。最近の若者の名前は読みづらくて困る・・・」


リコ「どなたですか?」


多田「いや!すまん!私はCPISの多田だ」


リコ「CPIS??」


多田「サイバーパトロール捜査班・・警察だ」


リコ「あー・・・・」


リコは足早に逃げ出す


多田「こら!逃げるな!」


多田はリコを捕まえる


リコ「ボ、ボクは、な、なにも!してません!ただの貧乏で親のいない不幸な大学生です」



その騒ぎをみたタクヤ達がからかいに来る



タクヤ「ああ!リコさん・・・ついに・・やっちゃいましたか!」


リコ「違います!違います!無実です!無実!」


オウジハン「リコ・・・短い間だったけど、バイバイ」


リコ「ジハンさんまで!!」


今「リコ君って・・・やっぱり・・そういう人だったんだね・・・」


リコ「そういう人ってどういう人なんですか!!今(イマ)部長・・」


今「コン!です!」


多田「韓国の方?」


今「東北では、よくある名字です」


多田「安心してくれ!別に逮捕しようとしてるんじゃないよ!」


リコ「へっ?」


多田「君のハッキングコンテストの動画を見た。君の腕を見込んで、ちょっと捜査協力を、お願いしたいんだ!」


タクヤ「いやぁ!さすが!リコ!俺もリコが逮捕されるなんて!おかしいと思っていたんだよ!俺は信じてたぞ!リコ!」


リコ「うそだ・・」


タクヤ「俺!桐谷卓也っす!湘南のドンファンと言われています!リコとは親友なんで!ぜひ俺も捜査に協力します!」


リコ「いつから親友になったんだ・・・」


多田「かまわんよ。人は多いほうがいいだろうからね」


オウジハン「あの!私!中国から来ました!オウジハン!中国語、英語、フランス語、ニホンゴしゃべれます!絶対役に立ちます!協力させてください!」


リコ「あれ?ぶりっ子キャラになった??いつもは冷たいのに・・」


多田「歓迎だよ!」


オウジハン「やった!あたしサイバー犯罪の捜査とか、したかったんだ!」


多田「じゃ!あと一人、誰か手伝ってもらえますか?」


今「じゃ!アタシも・・・」


今が手を挙げようとしたとき


彼はもちろんやってきた



楽太郎「おは!ようございまーす!このテレビにでて!有名なホワイトハッキャー楽太郎!どんなサイトからもバグを見つけてみせます!」


楽太郎「悪は野放しには、いたしやせん!なんたって!ボクは有名なホワイトハッカーですから!!どうか以後お見知りおきを・・・」


タクヤ「ホワイトハッカー??ただのデバッカーだろ?」


無視する多田


多田「あー・・・じゃ!コンさん!手伝ってもらえます?女性のプライバシーとかの問題があるんで女性の方がいいと思うので・・」


今「あっ!は~い!やった!警察の捜査を手伝うなんて楽しみ」


楽太郎「テレビにも出演歴あり!イカス!ホワイトハッカー楽太郎!!!」



多田「じゃ!みんな行こうか!大学から会議室を借りたんで!」


一同「はーい!」


楽太郎「あっ!楽太郎!!とはボクのこと!!!」


一同「行こ!いこ!」



楽太郎「なんで!このボキュを!無視すんねん!」



多田「だって、テレビに出演している君がテレビでアレコレしゃべられると困るし」



楽太郎「えっ?じゃなんで!リコなんです!僕の方が!僕の方が!ネットからバグを見つけられるのにぃ!!!」


多田「今回はバグ探しじゃないんだ・・・ごめんね・・」


楽太郎「えっ・・じゃ・・リコが必要ということは・・・まさか!住所特定技術!?」


多田「そ!ごめんね!楽太郎君」


楽太郎「うそだぁ!!!この!有名ホワイトハッカーの僕を!僕を!差し置いてリコなんて!!!嘘だぁ!!」



楽太郎「いやだぁ!もういやだぁ!!リコーンごときに負けるホワイトハッカーなんて!こんなホワイトハッカーは!いやだぁ!!!」





14:33 2018/06/25



会議室


多田「さて!これから話すことは、他言無用ね。携帯電話の電源は切ってもらえるかな?」


一同、携帯電話の電源を切る


多田「ありがとう!じゃ!説明しよう!君たちに協力してもらいたいのは、今、話題の連続首切り事件の捜査だ」


タクヤ「あの、官僚やマスコミ関係者の住所がハッキングで流出して次々殺されてる事件ですか?」


オウジハン「えええ!あの今話題の事件の!捜査!やった!!」


今「やった!ってチョット・・・人が死んでねんで(´・ω・`)ン」


オウジハン「あっ!すいません・・・ごめんなさい!あたし・・・つい・・興奮して・・・」


リコ「でも、その事件はハッキングでしょ?僕が出る幕は・・・」


多田「捜査本部は天才ハッカーが省庁やマスコミにハッキングをして情報を入手したと考えているが、僕は、そう考えてないんだ・・・」



オウジハン「なぜ?」


多田「ハッキングの痕跡が、まったくないんだ。どんなに凄腕のハッカーでもなんらかの痕跡は残る」



タクヤ「ハッカーが天才過ぎるとかでは?つい、こないだまで、みんなCIAやNSAがテレビまでハッキングしていたことも知らなかったじゃん!」


多田「確かに・・・しかし犯人は犯行動画で底辺差別への報復と言っていた。低所得か無職の犯人がCIAやNSAのようなゼロデイアタック」


多田「つまり、未知の脆弱性を見つけたなら、それで大金が稼げて犯罪なんかしないだろ?」


オウジハン「なるほど・・」



今「じゃ、一体、どうやって住所を調べたんです?」


多田「被害者は、みなSNSをやっていた。おそらく、犯人はリコ君と同じリコーンのようなスキルを持っていて、SNSから情報を収集したんじゃないかな・・」


多田「リコくん!」



リコ「はい」



多田「ちょっと!被害者の人たちのSNSを見てくれないかな。」


リコ「わかりました。」


リコのPC「マルコムX起動」


多田「ツールを使うの?」



リコ「ええ・・SNSをスクレイピングして特定に結びつくワードを探して、特定できる確率を算出します!この方が早いんで!」


多田「へぇ・・・どうだい?住所情報とか特定できそうかい??」



リコのPC「住所が特定できる確率を算出しました。」


リコ「でました」



今「ありゃりゃ!ほとんどのアカウントで住所情報を特定できる確率80パーセント以上じゃん・・・」


多田「これは、大変だ!やっぱり!僕の読みは正しかった!ちょっと!僕は上司に連絡してくるから!君たちは被害者のアカウントから住所を精確に当ててみてくれ!」


リコ「わかりました」


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