第7話愛美との絶交

「ごめんなさい愛美。実際に理系同好会に入部するかどうかは、今晩じっくりと考えさせて欲しいの……」

 美和子はそう言ってその場をやり過ごし、その場でいったん愛美と別れ、本当に一晩じっくりと考え抜いた。

 愛美を取るか? それとも『理系同好会』という部活をとるか? 

 この究極の選択に、一晩悩みに悩んだ末に、美和子は部活を選ぶ決心をした。

 次の日にそのことを愛実に伝えると、美和子のその決断に、愛美は激昂した。

「美和子。あんな人たちの仲間に入るというのならば、あんな部活に入るのならば、それならば私たち、もう絶交だよ!」

 愛美は美和子に、鋭い目線と鋭い口調で、愛美はそう美和子を怒鳴って、大学の最寄駅の地下鉄の入り口へと、向かって行ってしまった。

 美和子はその夜になって理系同好会への入部は、愛美と絶交をしてまでも、入るべき部活であったのか、自問自答していたが、美和子の出した結論は、

(愛美が私にとって真の友達ならば、ちゃんと分かり合える、関係をやり直せる日がやってくる。もし仮に今後その日がやってこなければ、愛美と私との関係は、その程度のものだったのだ……)

 美和子はそのように結論付けて、眠りにつくことにした。

 しかしそれからというもの、美和子と愛美は同じ学部・学科なので当然ながら同じ授業も、当然ながらいくつも受けるわけだけれども、愛美の『絶交宣言』の後、教室で愛美と会っても愛美は美和子に対して挨拶をしないどころか、美和子のことを完全に『無視』するようになっていった。

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