第6話愛美との衝突

 昔から本が好きで、将来は出来れば小説家を目指していたわけであったから、必然的に文学部を志望し、漠然と小説を書きたい、出来れば小説家になりたいとは思っていたものの、それ以外でこれといった夢や、やりたいことや目標もなく、かつ高校の指定校推薦で椎乃川大学に入学した美和子……。

(少し変わった環境に身を置いてみるのも、意外と面白いかもしれない……)

 そう考えた美和子は愛美の「止めときなよ」と散々言われたことを、結果的に聞かない形で、『理系同好会』への入部へと、心境が傾いていった。

 しかしそれを聞いた愛美は、怒り心頭のように美和子に、

「美和子。本当にあんな部活に入ろうとなんて考えているの? もしかしてまだあんな『ガリ勉オタク』たちの仲間に入ろうなんて、美和子はまだそんなことを考えているの?」

 愛美はそう怒鳴った。それを聞いた美和子はすかさず、

「愛美さ……。あんまり人の悪口ばかりを言っては、いけないと思うよ」

 そう美和子は愛美を諭したが、愛美の怒りは、収まりそうにない。しまいには愛美は次のように、

「じゃあ美和子にとっては、私とあんな部活の、どっちが大事なのよ? 美和子はどっちを取るのよ?」

 などと愛美は言いだしてきたので、美和子は、

「愛美……。どうしてそんな話に、急に飛躍しちゃうのよ?」

 そう美和子は愛美をなだめるが、愛美の口調は相変わらずのままだった。

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