読み終わったら、空を見上げずにいられない。

普段宮廷から一歩も外に出ない天上人たちは
一般市民の暮らしが見たくなるものなのです。
八代将軍しかり、ローマの休日のアン王女しかり。
もちろん『涼国賢妃伝』の主上の若き日、桂舜公子も。

お忍びで自分を隠して、自分の目で見たくなる。
すると、必ず波乱が起きます。
時に護衛が酷い目に遭わされてしまうことも。号泣。

特に胸を打つのは
冬の夜空の下、劉星衛と心を交わす回、
妹明楽が銀の牡丹を置いて別れを告げる回、
体の弱い兄の世子と布団を並べて言葉を交わす回。
心にいつまでも残る名シーンの数々です。

彼がいつしか自分で国を治める日に
この日々が思い出され、良い判断をしてくれますように。
是非、この後は『涼国賢妃伝』を読んでみて下さい。
人は経験によって、変わっていくものですから。

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