第7話 肉の薬膳

 続いては、薬膳とは縁遠いと思われる食材『肉』についてお話しようかと。ご存じの通り、たんぱく質の塊である肉。これも分類すると、薬膳の中に組み込まれるのです。


 では、種類別に代表格の、牛肉・豚肉・鶏肉・羊肉・馬肉を上げて行きます。




●牛肉

 薬膳の分類では、身体をゆっくり温める『温』の食材であり、良質なたんぱく質とビタミンB2と鉄分を多く含みます。属性は『甘』。

 エネルギーの代謝や活力を得るには良い食材です。加熱し過ぎて固くなってしまうと、消化に悪いそうなので、調理に注意が必要な食材です。


●豚肉

 身体を温めたり冷やしたりしない、中間の『平』の食材であり、アミノ酸のバランスに優れております。ビタミンB1の含有量も多く、鉄分やコラーゲンも多いです。

 寄生虫が潜んでいる場合もあるので、生食は厳禁。中火でゆっくり焼くのがコツかと。ただ、肉質が固くなってしまうので、パイナップルなどのたんぱく質分解酵素と一緒に摂取するのが良いようです。


●鶏肉

 ほのかに身体を温める『温』の食材にして、ささみは脂肪が少なく手羽はゼラチンが多い食材。

 他の肉類と違う所は、肉質が柔らかく消化に良いので、胃腸の弱い方々にもオススメ出来るもの。

 気を高める効果もあるようなので、元気の無い時に食べると良いかと。薬膳で有名な『烏骨鶏』ですと、さらに良いともされております。


●羊肉

 仔羊だとラム、成長するとマトンと呼ばれる肉。身体をゆっくり温める『温』の食材で、高たんぱく低脂肪。

 筋肉や内臓を補強する力があるようで、冷え性にも良いとの事。また、アミノ酸であるL-カルニチンは、脂肪の燃焼を助けてダイエットにも良いらしいです。

 匂いにクセがあるので、ニンニクや胡椒と合わせるのが一般的。


●馬肉

 この肉だけは、身体の熱を冷ます『涼』の属性の食材なのです。なので、身体を温める生姜と一緒に食べるのが一般的。

 脂肪は少なく淡白な味わい。肝機能や腎機能を活性化させる働きがあるとされています。

 消化しにくい食材でもあるため、内臓が弱い方々には、あまりオススメ出来ません。





 肉類は五行では『甘』に属されるものが多く、四性では『温』に分類されるのが多いです。


 滋養強壮作用は強いそうなので、ここぞという時に食すとよろしいかと。美味しく召し上がって、身体を作りましょう。

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薬膳という概念についてのコラム 皇 将 @koutya-snowview

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