第3話 そんな事って


この世界には悪人は、存在しないのか?もしも悪人が居ないのならば

拙者の存在意義ってあるのか?落ち込む吉弘であった。


エリーカとラウノの言う事が、本当なら拙者は此処で何をすれば良いのだ

結局は拙者は、暴れたいだけなのかも知れないな....多分そうなのだろう。

戦国に生まれ、戦国に死んだ者ならば当然と言えば当然の考えじゃな.....


もっと武者働きがしたい、もっと忠義を尽くしたい、だが此処には何も無い...

拙者は。何を目指せば良いのじゃ、主君も無く、家来も無く、俸禄も無い.....

何も無いではないか!拙者は如何どうすれば良いのじゃ!誰でも良い拙者に教えてくれ.....頼むから.....


「統幸!何を悩んでいるの?私で良ければ話してみてよ!」

『ボクもいるよ!』


この2人に相談して見るのも悪くは無いか、住む世界が違うのじゃから、住んでる者に聞くのが早いかもしれないの!


“実はだな、拙者は戦いたいし暴れたいのじゃ!どうすれば良いのか解らないで居るのじゃよ。こんな事を言っても困るかも知れないがな。”


「昔ね~統幸みたいな事を言ってた人が居たわよ!」

そうなのか?どんな奴じゃった?


「お爺さんだったけど、統幸みたいな鎧を着けてたわね。」

まさか.....松永久秀とか言わなかったか?


「ん~そんな名前だったかしら?名前は覚えてないけど、格好は統幸と同じだったわよ!そこは間違いないわよ。」

その者は、その後はどうなったのじゃ?


「風の噂では、小さな国を建てて王様をしているとか?」

松永の妖怪爺の事じゃ!どうせ領民を苦しませているんじゃろう?


「えっ?何言ってるの?その人は、凄い領民思いの王様になったって」

はっ?領民思いの王様?何かの間違えじゃろ?


「そうシルフ達が言ってたもの。」

その国は、此処から遠いのか?


「どうだろうね?シルフ達に聞いて見ないと解んない。」

頼む!その国の事をもっと、詳しく知りたいのじゃ!


「ラウノ!空にシルフ達は居ないかな?」

『シルフ?待ってて見て来るから!』


何で松永久秀が、聖人君主じゃと?馬鹿馬鹿しい!あやつは、足利将軍を

襲った大悪人じゃぞ!それが、領民思いとか.....何かの間違いじゃ!


『エリーカ!1人シルフを連れてきたよ!』

「ありがとうラウノ!」


【私に何か様なの?忙しいから早くしてくれる?】

そちにたずねるのじゃが、松永久秀と言う爺さんの国を知っているか?


【貴方みたいな格好の王様は知ってるわよ!】

その者は、何処に住んでいるのじゃ?


【此処から1~2年位かな?行った場所に住んでいるわよ!】

1~2年!そんなに遠いのか?


【遠いわよ!その国の名は、チュジノフ王国って国よ!】

ちぇじのふ王国じゃな!?そこまでは安全に行けるのか?


【チュジノフ王国の近くに行くと危ないわよ!シェスタコフ帝国が

           周辺諸国を侵略してるのよ!迷惑なくによね。】

そうなのか?しぇすたこふ帝国と言うのは悪い国なのか?


【あの帝国は悪逆非道よ!誰か倒してくれないかしら。】

なんじゃとぉ~~~!悪逆非道を働いてるじゃとぉ!それは、けしからん

うん!非常にけしからんぞ!拙者が成敗してくれようぞ!


ラウノ!急ぎチュジノフ王国の松永の爺さんの所まで行くぞ!

『嫌だよ!ボクは帰ります!今までお世話になりました。』


ラウノ君!キミ此処で死ぬのと、ちぇじのふ王国で死ぬのどっちが良いのかな?

『どっちも死ぬしか、選択肢がないじゃないですか!』


何かな?あっ!今死にたいと.....仕方ないな.....我が愛刀・猫丸の錆にしてくれるわ!


きぇ~~~~~~~い!


『行きます!喜んで行きます、チュジノフ王国の松永さんの所まで行きます!』

そうじゃぞ!人間はな何事も面倒臭がったらイカンのだぞ!

「ラウノは馬よ.....人間ではないわよ.....」


それでは、チュジノフ王国に援軍に向かうぞ!

「私は、また1人になるの?」

『はい?』


エリーカ1人は嫌なのか?1人は寂しいのか?

「1人や寂しいから嫌なのよ!」


ならば拙者と一緒に悪人退治に行くか?

「はい!仕出し女として雇ってくれない?」

『ボクにも御給金を下さい!』


拙者は無一文じゃぞ!銭など無いぞ!

「ん.....あっ!その美味しそうなの頂戴。」

『ボクも頂戴!』


握り飯で良いのか?良いならば食べよ!ほれ。

「何これ!凄く美味しいわよ。」

『ん.....藁の方が美味しいかな....』


今夜は馬刺しとするかの......じゅるり!

『美味しいです!今まで食べた藁より美味しかったです!』


そうか!二人とも満足したのじゃな!

「うん満足だわ。」

『はい!』


ならば良し!

「旅をするって言ってるけど、旅の支度はあるの?」

『この人は、何にも持ってないよ!』


旅に必要な物など、飯と竹筒水筒と薬品だけで事が足るわ!

「ちょっと~何考えてるの?そんなので旅が出来るわけ無いでしょ!」

『無茶苦茶な人だな......』


ならば...何が必要だと言うのじゃ?

「野営用のテントに毛布・雨具・食料に調味料・調理機材に洗剤などよ」

『後は、着替えと予備の武器・家来も何人か居た方が良いでしょうね!』


何故に、そんなにいるのじゃ?拙者の国では、そんなに要らんぞ!

「そりゃ~統幸の国がおかしいのよ!」

『うんうん!』


解った!近くの町で旅支度を使用ではないか!

「旅支度するにも、お金はあるの....あっ無いって言ってたわね!」

『働くしかないですよね!』


働くって何をすれば良いのじゃ?

『酒場の用心棒とか商人の護衛とかですかね?』

「でも~その仕事って冒険者ギルドに登録しないと出来ないでしょ?」


『ならば、登録すれば良いのでは?』

「登録するにしても、登録料はどうするのよ?」


『あっ.....どうしましょうか....困りましたね!』

「でしょ?何か手っ取り早く稼げる方法を考えないとね!」


もしもし?


『まずは力仕事でもして日銭を稼ぐとかですかね?』

「それも良いけど、もっと一気にお金を稼ぐ方法を考えないと!」


『ギャンブル?ボクが走っちゃう?ウンパカレースとか?』

「いいねぇ~!でも却下よ!統幸が働かないと駄目なのよ!」


すまんのじゃが.....話に混ぜてもらえんだろうか.....


「まずは統幸に出来る事を考えなさい!」

『この旦那に出来る事って戦う事しか出来ないですよ?』


「戦う.....襲う.....略奪.....と言えば傭兵?」

『へっ!?何で傭兵なんですか?用心棒した方が健全ですよ!』


拙者は、算術や弁舌など覚えているぞ!だから商いも出来るのじゃ!恥を捨てれば

武士だって.....商い位はできるのじゃぞ!それにの拙者は、統率力も高い方じゃし

武力も高いと自負している!政務も智謀も魅力だって中々の物じゃぞ!どうじゃ?

拙者も捨てた者ではないじゃろう?


「な.....なんですって!?」

『傭兵で良いんじゃない?戦場が近場であればの話だけどね。』


「無理よ!この国は超絶平和なのよ!戦い何って無いわよ!」

『あっ~~~~~~~~!!!!!!!そうだ思い出した!』



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