第2話 衝撃の事実!


白い洞窟を抜けると、辺り一面緑と花が目に入って来たのである。

此処は何処なのだろうか、そんな事を思っていると何故かは解らないが

駿馬の馬が暴れだしたのである。馬を鎮めながら辺りを警戒するのだが、

気配は感じられなかった、此の馬は何にかに脅えている、脅えては居るが

原因が全く解らない...困ったのである!


「どうどう!」馬はまだ興奮気味に暴れていた。馬の悲鳴混じりの声が辺りに

響き渡っていたから、もしも敵ならば、此方を直ぐに見つける事は簡単である。

奇襲されるのもしゃくさわるから、直ぐに隠れるのが良い

そう思ったので、直ぐに隠れれる場所を探したのである。


身を林の中に隠してから、辺りをうかがっていると.....何やら妖しげな

煙が辺りを包んだのである!もしや此れは、妖怪物の怪の類なのかも知れない!

妖怪ならば.....「拙者が斬る!」


霧の中から歩く音が聞こえてくる.....「ひった...ひった...ひった」そんな足音だ。

此れは間違いなく妖怪であるな.....そう思い腰の刀を何時でも抜けるように構えた

タイ捨流の居合い術の構えをとっている。


足音が目の前で聞こえだしてきたのである、素早く相手の懐まで飛び込む吉弘であった。「妖怪め覚悟!」そう吉弘が叫んで刀を鞘から抜こうとした瞬間に相手の

顔が見て取れたのである。


顔を見た吉弘は躊躇ちゅうちょした...何故かと言うと、相手が裸なのと若い女性だったからである。「きゃ~殺さないで下さい」相手は脅えている...どうやら敵ではなさそうでる。


「お主!此処で何をしているのじゃ?」吉弘が女に事情を聞いた!「私めは森の精霊・サテュロス族のエリーカ・ペルヌと申します」女は精霊と名乗ったのである

「森の精霊とな何じゃ?」吉弘には森の精霊が、どのような者かが解らなかったのである。「精霊と言うのは、大地の力を少しだけ貰って生活をする者達です。」その説明で、吉弘が納得するはずも無く未だに話を聞かれる精霊のエリーカであった。


「この霧は何なのじゃ?お主が出した霧なのか?」

『この霧は森の精霊の力で御座いますよ。』


まだ吉弘は納得してなかった...理解が追いつかないって言うのが正解なのかもしれない。戦国時代に生きた人間が、これ等の怪奇現象を信じろと言う方が無理な話なのかもしれない!でも吉弘は理解しようと努力はしている様である。


「精霊って言う者は、妖怪ではないのじゃな?悪さもしないのじゃな?」

『精霊は人々と協力して、毎日を過ごす種族なのですよ』


此処までのエリーカの説明で吉弘は納得できたようである!


「申し送れたが、拙者は吉弘統幸と申す侍である。」

『よしひろ・むねゆき?さむらい?』


吉弘はエリーカに名前と侍が、どのような職業なのかを説明しだした。


「侍と言うのは、領地を主君から貰いうけ、主君の為に戦う者達だ」

『統幸は、騎士なのですね?』


「騎士とは何じゃ?」今度は統幸が、騎士に付いて聞き出したのである。


『侍と一緒で、君主様の為に領地や領民を守る人達です!』

「なるほどの!侍は騎士に似ているな!」


2人が話してる最中に、草むらから駿馬が姿を現したのである!

駿馬は、まだ脅えてはいたが、吉弘がエリーカと話をしているのが

気になったのか、草むらから出てきたのである。


『この馬は.....あれ?』

「この馬は、エリーカと会う少し前に、白い洞窟に居た老人から貰ったのじゃ!」


エリーカは馬をジックリ観察し始めていたのである!


『この角に、この足...このお尻の痣...貴方はスレイプニルでしょ?』

〈そうだよ...ボクはスレイプニル族のラウノだよ!〉

「この妖怪目!叩き斬ってやるわぁ!」


エリーカがラウノの種族に付いて説明しだした。


『スレイプニル族って言うのは、神獣なのです!決して危害を加えてはなりません!それとラウノは空を駆ける事ができます。後は角ですね!この角で槍を作れば、まさに大抵の物は貫けるでしょう!』


「神の獣?神から授かった馬って事なのか?」

〈そうだよボクを渡した人は、神族の人だよ!〉


『所で何で馬の真似をしてたのですか?ヒヒィ~ンとか...人語が話せるのに?』

〈えっ!.....それは.....後で逃げ出すため?ボクは臆病な馬なんだよ!〉

「神獣が戦いから逃げ出すとは、何事かぁ~!」


吉弘さんの怒りに触れた馬は、説教されています.....暫くお待ち下さい!


〈ボクは戦馬だけど、戦が大嫌いなんだよ!死にたくないもの!〉

「戦馬なら戦って死ね!拙者も一緒に戦って死ぬ!一蓮托生じゃ」

『えっ?』


〈神様と言い合いしてるから、話が通じない人だとは思ってたけど...

                本当に話が通じないよ!助けて神様ぁ~~!〉

「何を甘えた事を考えているのじゃ!漢なら戦って死ね!

                  それが西国の武者じゃ!」 

『さいごくのむしゃ?』


「侍は戦い抜いて領地を守るり領民を守って死ぬ!

               そして主君は侍を守って死ぬ者なり!」

〈ボクには意味が解りません.....〉

『ちょっと.....理解できないですわ....』


「その位の覚悟がないと領地を治める事が出来ない時代じゃった!」


拙者が仕えていた大友家は、全盛期には西国一の強国であったが、周りの列強に徐々に破れていき最後には、領地さえも無くなってしまったわ!そんな事があった為に出来た家訓なんじゃ!侍は、ただでは死なぬ!相手と刺し違えて死ぬだけじゃ!


『あの...この国は平和なんですけど......』

〈神様は平和な国に送ってくれましたよ!〉

「なんじゃとぉ!?それはまことか?」


『本当ですよ!ね~ラウノさん』

〈えぇ~本当です!〉

「では.....拙者は何の為に此処に来たのじゃ?」


〈成仏しないから.....何処でも良いから送っただけかも.....〉

「何じゃと~~~~!?」


衝撃の事実が、吉弘統幸にもたらされたのある.....

この後は、どうなってしまうのか?



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