9#湖にやって来たフラミンゴの元許嫁

 こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!


 ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!ばしゃ!!


 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーぃぃーー!!!!!」



 ハクチョウの女王様と王様は夫婦喧嘩。


 号泣が止まらないクジャクのジャニス。


 「もうオテアデだわ!」


 「どうにでもなれーーーー!!」


 「アヒルのガーコ!!カルガモのガスタ!!あんたらねえ!!」


 「そんなこと言ってもねぇ、ガチョウのブンちゃん。どうしようもないのは、どうしようもないのよ!!」


 「あ?だから!!このままじゃ!!この湖は!!何とかするのが僕ら『召し使い』の役目だろー!!」


 「役目?!は?」


 「おい、そんな態度なら、この湖から出ていって貰おうか?あ?」


 「おいー!!カナダガンのポピン!!よしなさい!!お前まで喧嘩をおっ始める気か!!」


 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーぃぃーー!!!!!

 ワタシのせいで!!ワタシのせいで!!」


 「クジャクさん!!気を落ち着けて!!あんたが落ち着かなきゃ!!」


 「おい!!クジャク!!そもそもお前が!!」


 「よしなさい!!カナダガンのポピン!!」



 不思議の湖の中の水鳥達は皆取り乱して、揉みくちゃになって、修羅場と化していた。



 こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!こぉーーー!!


 がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!がー!!




 きらきらきらきらきら・・・



 湖の水鳥達は誰も気付かなかった。



 きらきらきらきらきら・・・・



 湖の上空からピンク色の風船の束をくわえた1羽のフラミンゴが、鮮やかなピンク色の翼を輝かせて着陸体制に入って居た事を。



 きらきらきらきらきら・・・



 ばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさ・・・



 ばしゃーーーーーん。ばしゃばしゃばしゃばしゃ。



 ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、



 ぽーーん、


 ぽーーん、


 ぽーーん、


 ぽーーん、



 ぷかぷかぷかぷかぷかぷかぷか。



 「あれ?何か漂ってきたよ?」


 「風船?」


 「ピンク色の風船が・・・」


 「しかも、こんなにいっぱい?」


 喧嘩をしていた水鳥達は、目の前に漂ってきたピンク色の風船に思わず気を取られた。


 「見てよ!!あれ!!」


 「フラミンゴ・・・」


 「フラミンゴ!!」


 水鳥達が振り向くと、1羽の美しいフラミンゴが佇んでいた。


 「みんなぁ、このピンクのゴム風船は長旅の途中に海で浮かんでた奴を私が嘴で息入れて膨らませたのよ。海面で休む時に浮袋がわりにね。

 プレゼントよ。私を不倫したショーさんがお世話になりました。」


 「ええ、ショー?!」


 「フラミンゴのショーさんのお知り合い?!」


 現れたフラミンゴにプレゼントされた、パンパンに膨らんだピンク色の風船をぽーんぽーんと翼で突いていた水鳥達は、仰天した。


 「あんた、本当なの?!死んだフラミンゴのショーさんの・・・!!」


 夫のハクチョウの王様のフリードと喧嘩して、羽根がボロボロのハクチョウの女王様のメグは目を見開いて驚いた顔で、そのフラミンゴのキラキラした瞳を覗きこんだ。


 「はい、あなたがショーさんが言っていた女王様ね。はじめまして、私はフラミンゴの『ベキィ』よ。

 遥々、アフリカの故郷から飛んできたの。

 死んだフラミンゴのショーさんの・・・不倫相手・・・私がショーさんと出逢わなければ・・・」


 フラミンゴのベキィは、そこまで言うと顔を曇らせ目に大粒の涙を溢して項垂れた。


 「フラミンゴのショーさん、実は既に番が居たの・・・名前は、『リーヴァ』さん。

 あの時フラミンゴのショーさんは、この国から遠くアフリカの故郷へ遥々苦労して飛んできた功績をフラミンゴ仲間が称えて、『フラミンゴの王様』と君臨してたの。

 リーヴァさんは『お妃』ね。

 ところがある日・・・ショーさんがひょんなことが切っ掛けで私と付き合って・・・まぐわっちゃって・・・私・・・ショーさんのと雛まで産んじゃったの。


 それが、本来の『お妃』であるリーヴァさんにバレちゃって・・・

 それが・・・フラミンゴ仲間にも・・・フラミンゴ仲間は激昂して・・・『フラミンゴ』としての道を外したフラミンゴのショーさんに・・・寄って集って陰惨に集団リンチを・・・


 遂にフラミンゴのショーは、『王様』の座と飛ぶ能力・・・集団リンチで翼が折れ曲がって・・・と・・・私の愛を失って・・・うううううううううううう・・・うわああああああああ!!」


 遂にフラミンゴのベキィは大声で泣き崩れた。


 「そうだったの・・・フラミンゴのショーさんらしいね・・・」


 ハクチョウの女王様の目にも涙が溢れた。


 「大丈夫だよ。メグ・・・じゃなくて女王様。俺は不倫はしないから。いつも女王様と一緒だよ。」


 夫婦喧嘩でボロボロのハクチョウの王様は、「ごめんなさい」とそっとハクチョウの女王様の首筋に軽くキスをした。


 「こっちからもごめんね、フリード・・・じゃなくて王様。」


 ハクチョウの女王様と王様は寄り添って、更に続くフラミンゴのベキィの話を聞き入った。


 「危ないアフリカの荒野を彷徨い歩き・・・たまたま通りかかったアフリカゾウに助けられて・・・

 ショーさんはアフリカゾウの背に乗せて貰って、一緒に同行して折れた翼のリハビリにせいを出してたの・・・


 ところが・・・!!


 ブッシュの荒野を行ったときのこと・・・!!


 ショーの乗っていたアフリカゾウが!!ライオンの集団に襲われて・・・!!


 フラミンゴのショーさんは!!アフリカゾウを庇って・・・ライオンに・・・喰われたの・・・!!」


 「喰われた・・・」


 「喰われたって・・・!!」


 「何で惨い死にかただったの・・・!!」


 「これが・・・『弱肉強食』!!」


 水鳥達は、思わず震撼した。


 「僕ら・・・もしアフリカに居たら・・・」


 「大丈夫さ!!俺らカラスは何処でも適応力がる。」「そうだ!!そうだ!!」


 「カラスのカーキチカースケ、あんたらは『弱肉強食』とは無縁のしぶとさがあるからいいけどさあ・・・あっ!!フラミンゴさんがせっかくくれた風船の吹き口ほどいて中の空気吸い込むなよ!!」


 「いえーい!!」「関節キス!!」


 「ほら!!カラス達!!ガチョウのブン!!真面目にフラミンゴの話聞きなさい!!」


 目を涙でボロボロのアヒルのピッピは、注意した。



 ふと、その時クジャクのジャニスがムクッと起き上がった。




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