1人の男の言葉が歴史を変えたと思うとゾクゾクする。

カクヨムで歴史物を読んだ後はWikipediaで事実確認するのが倣いとなった。
ところが、佐助なる一族は見当たらない。豊前で調べるに、細川家か小笠原家が雛型なんだろうか。初代小倉藩主の細川忠興は本作品の佐助吉興の息子に転じているのだろう。
フィクションと知れば、本作品の秀逸さが際立つ。歴史上の出来事を否定することなく、その間隙に滑り込ませるのだから、作者の知識の奥深さには感嘆せずにはいられない。
まぁ、伊達政宗みたいな御愛嬌の展開はあれど。よくある構想倒れの作品とは太い一線を引いている。
相当な文字数だけど、読み疲れはしない。それだけ面白いと言う事。
最後に来て「まだ続くんだぁ」と少々驚く。歴史は連綿と続くもんなぁ。隠し子の行末が明らかになると嬉しい。

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