老いたる者


 ムテは老いを知らない魔族である。

 人間でいう20代から30代くらいの容姿を保ち、寿命が来ると一年で一気に百歳ほどの年齢を重ねて死に至る。その姿を親しい者に見せないために、旅立って遠くの地で果てる。

 だが、時に人間のように年齢を重ね、老いた状態で時を過ごすものが現れる。

 彼らは、光を浴びると歳を取るので、出来るだけ光を避けて、祈り所の地下に閉じこもり、祈り所を管理しながら生活をしている。

 そのまま年齢を重ねて早くに寿命を追える者もいれば、年老いた状態で安定し、普通のムテ人並みの長寿である者もいる。

 死んでもそのまま骨や灰になることはないので、祈り所の地下に葬られる。



【老婆】


 エリザとは、フィニエルの話題で気があった。

 だが、夏のある日、死んでしまい、エリザは初めて死と向き合うことになる。



【足の不自由な管理人】


 ひこひこと足を引きずりながら歩く老人。

 独特な話し方で、エリザに注意を与えたり、世話を焼いたりしてくれる。

 マリとも仲良しで、米玉入り小茶豆が大好物。



 一の村の祈り所には、まだ何人かの老いたる人がいるらしい。

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