第16話「探偵神宮寺三郎 夢の終わりに」


昔、アニメ「ロスト・ユニバース」を見ていた時間帯(98年の金曜日の6:30~700ぐらい)にこの作品のCMが流れていたのをよく覚えている。そして、この作品は神宮寺くんの作品の中でもトップクラスに好きな作品でもある。




さて、この作品はファミコン時代から続く息の長いシリーズで、携帯アプリやスマホアプリに移植されたり、新作がPS4・ニンテンドーSwitchで新作が出るほどの人気作。




本作は上記にも述べたように1998年に発売され、シリーズ6作品目。セガサターン版とプレイステーション版の両方が存在する。10周年記念ということでドラマCDも付属している。




本作は神宮寺、洋子、熊野、美貴の視点によるザッピングシステムを採用。今までは神宮寺視点のみだったのが他のキャラ視点で楽しめるのはシリーズファンには斬新であった。またシナリオも神宮寺と洋子さんの過去に繋がる話でファンには堪らない作品といえよう。イラストレーターの寺田克也が最も深く関わった作品としても知られる。




今は絵師さんが違うが、元々初代ファミコンのドット絵の神宮寺を描き、ゲーム壁紙を描いたのも寺田さんだったりするのでファンには必見だ。筆者は「BLOOD+」の印象が強いが、やはり彼の描く神宮寺くんは今でもカッコいい。




あと、BGMも相変わらず素晴らしい。

神宮寺くんというと大人なシナリオ、そしてジャズのBGMが最高に素晴らしいのだ。ゲーム中のBGM細部に至るまで、ジャズコンボの生演奏を収録し採用するほどのこだわりぶりなのだから。世間的に絶賛されているのは「カインド・オブ・ブルー」なんだけど、個人的には「夢の終わりに」も十分評価に値すると思っている。知らない方はぜひ、聞いてみて欲しい。




また、事件を振り返る「手帳」システムや「推理モード」「捜索モード」「パスワード」など後のシリーズでも継承されているシステムが今作で初登場。パスワードは必ず「AAAA」を押せばパスワードの説明が出てくるのは有名。おなじみの煙草システムも健在。




基本的に物語は一本道で寄り道要素はないものの、「未完のルポ」に比べると操作性の向上やシステム周りは格段に良くなっている。ザッピングシステムで様々なキャラの個性をより深く知ることができるのも嬉しい所。推理モードはやや荒も目立つが、この時代の作品として考えると合格点である。




神宮寺を語るなら決して外してはいけない作品である。

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