第34話 退治

色々調べて・・・・・・。

やはりあった。

これだ。

ミミズって正の電気走性を持っているよね。

魔物でもうまくいくのかな。

試しにこれを利用してみよう。

この世界は魔力重視だから電力供給の方法があまりないようだ。

私たちの場合、電力の供給は結界補修工事用の電源車を利用できる。

直流も供給できる優れた車両だ。

直流でないとあ駄目なんだよね。

湿原に刺す電極と防護服と防御網を用意した。

電圧は低いし電流も多くないから大丈夫だと思うが感電防止用に防護服を着用することにしている。

防御網は金属線でできた網。

これは退治の時に私たちの安全のために必要なのだが・・・・・・・。


「この方法でミミズの魔物を集められるのですか?」

「全部ではないでしょうが効果はあると思いますけど」


あまり高くない電圧でやってみることにしている。

道路の結界やハイウェイの副結界の影響がなく、それでいて道から離れていない湿原に電極を刺し、電流を流す。

1分、2分、5分。

何も起こらないか。

10分。

駄目かな?

その時、地面が揺れてミミズの魔物が4匹でてきた。

電極への電力の供給を切る。

マイクロ波発生装置に電源車から電力を供給する。

マイクロ波発生装置は賢者様の残してくれたものの中にあった物だ。

ちょっと気になって持ってきたのが正解だった。

これ、電力でないと使えないんだよね。

そしてミミズの魔物に向けてマイクロ波を照射した。

放出部分がパラボラアンテナような形で指向性のある照射ができる。

だからこれなら照射する範囲を限定できる。

ミミズの魔物の中の水の温度が上昇していくはずだ。

ミミズの魔物の電子レンジ処理だな。

チンしちゃっているよ。

もちろん食べないけどね。


私たちは防御網の後ろに退避した。

マイクロ波の影響が私たちに出ないようにするためだ。

そして5分後にはミミズの魔物が動かなくなった。

茹っている。

よし、うまくいった。

暴れてこちらに来るかもしれないと思ったけど、その場でのたうち回っているだけだった。

死骸の処理を軍に任せて次の行く。

電極や電源車やマイクロ波発生装置などを移動させる。

電極が刺してあった湿原が1m四方で温度上昇によって乾いてしまった。

範囲が狭いから環境への影響は少ないだろう。

雷の魔法を使うと一度にこの1600倍程度の湿原を駄目にしてしまう。

雷の魔法だと湿原全域をくまなく処理しなくてはならない。

そうすると湿原が全部だめになってしまう。

だから雷の魔法を使えなかった。


1000mぐらい離れて同じ作業を行う。

今度は6匹を退治できた。

この電気走性を利用して集めてマイクロ波で倒す方法を計6回行った。

その結果、この日は計24匹のミミズの魔物を倒すことができた。

もっと場所を変えてさらに何回かやりたかったけど今日はこの辺で終了した。

湿原の周囲は20kmぐらいあり東側のうち半分ぐらいの地点で退治できた。

この方法をいつまで継続するかは明日のさらに実施してみた結果から判断しよう。

ハコダ代官とも話し合って明日は湿原東側のまだ行っていない地点でこの作戦を行うことにした。

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