第33話 代官

アシノコの魔物がミミズが魔物になったものだとわかった翌日、ハコネ代官から面会の申し出があった。

面倒ごとに巻き込まれているのかなあ。

それではここはパスで。


「もう出発して今頃アツギ辺りじゃないかということで」

「いいえ、まだおられますから聞いてきますと伝えてあります。外部ゾーンでお茶とスイーツをお楽しみです」

「代官本人が来ているのですか」

「はい、応接室にご案内しようとしたら『ここは寛げるからゆっくりでいいよ』と言ってカフェでまったりとされています」

「ミオさんどうしようか」

「大丈夫ですよ。ここの代官はハコダさんですから」

「そうです。いい人ですよ」

「ミオさんとハルさんは知ってる人?」

「はい、『賢者システム』の上級職員だった方です。大変に優秀だったのでが人が良くて人を疑ないような人でした。それで出世したい後輩に嵌められてしまったというか。『賢者システム』での立場が悪くなったところでヨコハマ王国の国王にスカウトされてここの代官になられました」


そんなことが『賢者システム』内であるんだ。

もう少し詳しく聞きたいが後にしよう。

それでは面会してもいいかな。

外部ゾーンの応接室で面会することになった。

応接室には中肉中背のおっとりした男性と鋭い感じの女性がいた。

女性を見てミオさんとハルさんが驚いている。

「フツミさんがハコダさんの秘書をしているのですか。『賢者システム』を辞められたのですか?」

「ええ、一昨日辞職して昨日からハコダ代官のもとで働いたら早速厄介ごとに巻き込まれたわ」

「お~い。失礼になっちゃうよ。改めまして、ハコネ代官のハコダです。こちらの女性がフツミ秘書です。タカシ様よろしくお願いします。それからすみません。フツミ秘書が馴染みにあったものですから」

「いいえ、こちらこそミオさんが失礼しました。タカシです。よろしくお願いします。ミオさんとハルさんはよろしいですね。そちらがミノ王国王女の聖女ナツさんとユミ公爵です」

「「よろしくお願いします」」

「こちらこそ、よろしくお願いします。ナツ様、ユミ様、ミオさん、ハルさん。それで本題に入りたいのですがよろしいでしょうか」

「はい、大丈夫です」

「昨日は情報提供をありがとうございました。情報をもとに夕方と明け方にミミズの魔物を討伐するために活動しました。ミミズの魔物は暗くなると地上に出てくる様ですので。真夜中は暗くてこちらが動けないということですので夕方と明け方に討伐を実施しました。そしてこちらにいる駐留軍に討伐をさせたのですがうまくいきませんでした。湿地ということでもうまく近づいたりできず、動けません。かといって他の生物に影響がある雷や炎の魔法は使わないにようにしたいと思っています。ミミズだけを集めて退治する方法はないでしょうか」


なかなか厄介なお願いだね。

ミミズを集める方法と動かなくする方法か。

動かなくする方法は低温でいいだろう。

地下のミミズをおびき寄せるにはどうするか。

少し考える時間をもらうことにした。

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