第29話 王都イズ

今、イズ王国王都イズの王宮に来ている。

着いてすぐに思った事は(カイ王国の王宮に比べて小さいな)ということだ。

外壁があり街があり城壁がある。

その中に4棟の建物。

王都イズの役所兼議会庁舎。

イズ王国議会庁舎。

イズ王国政府庁舎。

イズ王国王宮だ。

人口と国土面積が狭いのだからこんなものなのだろう。


朝9時にイズサービスエリアの外部ゾーンで水をイズ王国王女のミスズさんと合流し、王宮へと案内され謁見の間に通された。

謁見の間には国王陛下や王族や貴族やニラヤ国王補佐官らがいた。

本来なら国王陛下の方が後から入ってくるものだが私たちへの謝罪ということで謁見の間に入る順番が私たちと逆になったようだ。

国王陛下の席は私たちと同じ高さに置かれ、私たちが謁見の間に入った時には立って迎えてくれた。

「この度は故障修理初期対応の一件から始まって職員の暴言等でご迷惑をお返しました。申しわけありませんでした」

「わかりました。謝罪を受け入れます」

まず、国王陛下からは謝罪が述べられた。

私の返答も用意されたものだ。


国王自身による謝罪や国王陛下の謁見の間における位置などは王宮内でも議論があったようだ。

国王の威厳にかかわるものだからだろう。

しかし国王陛下自身が押し切ったようだ。

そしてお礼の言葉も述べられ、1級名誉爵を授与された。

屋敷をくれるということだったが遠慮した。

各地のサービスエリアに別荘がありようなものだからいらないよ。


王族の皆さんと昼食会のあと、王都イズの中と周辺を見学させてもらった。

ミスズさんが案内してくれた。

温泉の源泉や植物園があり、午後の時間を満喫することができた。

植物園は外壁の外にあるがしっかりした結界と柵で守られていた。

散策コースは気持ちがよく王都イズに来る人たちにも人気があるのだという。

お土産店には温泉饅頭があった。

一つ買ったがあんこがしっかりしていて美味しかった。

私とナツさんはつぶあん、ユミさんとミスズさんとミオさんとハルさんはこしあんを選んだ。

「小豆の皮が歯につくのがちょっと・・・・」

でも小豆の皮が美味しいだけどなあ。

地元で生産されている桜葉を使った桜餅も食べた。

これは関東風だな。

長命寺餅だ。

道明寺餅を販売している店も王都内にはあるらしい。

お茶はぐり茶が出された。

味が濃くておいしいね。

ぐり茶を使ったお菓子を扱った菓子店もイズ王国内にはいくつかあるらしい。


夕方からは歓迎の祝宴が開かれた。

イズ王国内の貴族や商人が挨拶に方が人数はそれほど多くない祝宴だった。

何事のなく無事に終わったよ。

21時にはイズサービスエリアの宿泊施設に戻ることができ、風呂で疲れを癒し眠りにつくことができた。

明日はアシガラサービスエリアに向かうことになっている。




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