第9話 街へ

「今から行くのは自由都市国家シミズのフジエダの町です」

「はい、お願いします」

「まずはここシズオカサービスエリアの外部ゾーンを見ていただきます」


私とミオさんを乗せた魔力車はゆっくりと外に出るゲートに近づいて行った。

スマートインターチェンジと同じだな。

大きな違いはここに主結界があるということか。

私の車と持ち物はスズさんの指揮のもと、この世界でも使えるように改造をしてくれている。

改造が終わればこの世界でも私のいた世界でも使えるようになるらしい。

ということは一度自分の世界に帰ってもまたこの世界に来るということか?


車の運転してくれているのはハルさんというオートマタだ。

ミオさんと背格好と髪型が似ているが髪の毛が少し茶色っぽい。

ここでまずい事を訊いてしまった。


「この世界は亜人とかいないよね」


きっーとこちらを向いたミオさん。

怒っている。

いや、目がギラギラしていて怖いんだけど。


「タカシさん異世界に来たのですものね。エルフとか獣人がいたらいいですよね。私も異世界に行けたら見てみたいです。あ、タカシさんの世界にはいないのですか。獣人型のオートマタ製作を提案したのですが却下されてしまったのですよ。それから・・・・・・・・・」


ミオさんのいけないスイッチが入ってしまったようだ。

せっかくかわいいのに残念なスイッチだ。

これからこちらも発言には気を付けよう。


「ミオさんそろそろ外部ゾーンですよ」

「あ、失礼しました」


ハルさんの一言でミオさんは元に戻った。

外部ゾーンの駐車場に魔力車を停めて外部ゾーンの施設を見て回る。

まずは銀行から。

入り口で支店長が出迎えてくれた。

連絡がいっていたようだ。

支店長さんは地域の事も教えてくれた。

これから出かける自由都市国家シミズは港があり貿易も盛んに行って入りるようだ。

だが、船で岸から100km以上離れるのは海の魔獣の関係で大変に危険な事だという話だ。

自由都市国家シミズは選挙で選ばれた代議員で議会を構成しており、代議員の中から国家代表を選挙で選抜するということだ。

消費税はなく関税も安いという。

フジエダは農業と食品工業が盛んな街だという。

そのような事を教えてくれた。

続いて食堂を見た。

メニューは中と同じだ。

客が数人いた。

スイーツを楽しんでいるのかな。

売店はかなり広かった。

総合スーパーのようだ。

あと、レジでない対面式のカウンターにも客がいる。

何かの受付かな?

尋ねたら店にないものを取り寄せてもらうところだという。

魔道具のカタログで商品を選んでいた。

引き渡しはここでやったり配達したりらしい。

卸売りもここで受付を行っているという。


その横には買取所がある。

お茶を持ってきている人がいた。

あれは猪かな。

うまく商談が成立したようだ。

今日は猪の買取価格がよかったようだ。

買取所はかなり広い。

これなら熊でも余裕で持って来れるね。


荷物発送所も見学する。

大きさによって受け付ける窓口が異なるようだ。

セキュリティにかけてから受け付けているようだ。


駐車場の横に魔力を補充する施設があるのに気が付いた。


「こんなところに給魔力所があるのですね」

「ハイウェイは光から魔力をつくることができる装置を多く設置できますから余ったものを売っています」


外部ゾーンのの見学を一通り終え、フジエダの町へ向かうことにする。





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