第四章 心に最後に残るモノ 3
教室の中に取り残される。
さっきまでの熱が
こうなってくると、さっきまでのやり取りも現実のものか疑わしく思えてくる。
……いや、これはただの現実
ただ、ショックな反面、これでよかったんじゃないかという気持ちが
ミッションは
「追いかけないんですか」
突然聞こえてきた声にびくっとする。
さっきのやり取りを人に見られていた、という
「追いかけるって、なんでさ」
「
「
「
「はい」
「じゃあ、
「
「当たり前でしょ。
何をバカな、という話だ。たとえどんなに彼女に
「わかりませんね」
彼女は短く否定する。
「そこまで
「理由ってそれは」
突っぱねてもよかったんだろうけど、なぜか
「聞いていたでしょ。
「そんなものは青春ではない」
ぴしゃりと話を打ち切られて、
銀色の
今見ているのも夢なんじゃないだろうか。そんなことを思ってしまうほどだ。
彼女は
「そうしてくれって、一度でも
「……言っては、ないけど。でも、それは。
しかし、これは子供のときと同じ
いや待て。先走るな。落ち着いて考えれば、答えは出てくる。確かに
かといって、必要とされているわけでもない。
なら、
「まぁきちんと話さない
まるで
「自分たちが
そうしないでわかった気でいるのは、ただの
……そうなんだろうか。
確かに、子供の
……そう、失敗なのだ。
それは先日のデートのときに思い知った。
もしあのときにきちんと自分の心の内を言っていれば、今のような
……しかし、今はちょっと
「
やっぱり無理だ。そう言おうとするが、それより先に
「
「自分がどうしたいか……?」
「
「………………」
自分がどうしたいか。いっしょにいたいかどうか。そんなの考えるまでもない。
いっしょにいたいに決まっている。彼女の
しかしそれは、あまりに自分本位な欲求だ。自分のことだけしか考えていない、
そうやって彼女に自分の欲求をぶつけた人が多かったからこそ、彼女は
「だからこその青春なんですよ」
「
今だけ、今だけなんですよ。
自分の感情をみっともなく
好きだから好きだと言えるのが。それが──」
それこそが。
青春なんですよ。
彼女は静かにそう言った。
ガタっと
それと同じように、口から声が
「自分の伝えたいことを……、自分勝手に……、言っていいのかな……」
「少なくとも、
「そっか」
「──
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