かんちがい

今日は明日が休みなんで、博士と一緒に

雪山の温泉宿に来た。

そして、博士の権限で貸切。

やったぜ。


現実世界で色々買ってきたし。


「ああ、いらっしゃい」


ギンギツネが出迎えた。


「私とユイトの部屋は覗くなです」


「何で見る必要あんのよ...」


んな、やり取りをして部屋を案内してもらった。


「やっぱ旅行はいいなー」


「羽を休めるのは大切なのです...」


ふぅー...。









「ギンギツネ、二人お風呂に行ったけど...、いいの?」


「え?何が?」


「覗き見だよ。あの二人が何かしない訳ないじゃん」


「ちょ、何馬鹿なこと言ってるの!

ていうか、アンタそんな趣味あったの?」


「えー...、ギンギツネのためを思って言ったのに...」


「ど、どういうことよ...」


「だっていつもボクの下着のにおいとか嗅いでるじゃん」


「そ、そんな事してない!偏見よ!デマよ!フェイクニュースだって!」


「隠さなくていいよ。別に恥ずかしいことじゃないよ。好きなものは好きで。

そう言うの、変態って言うんだって。

タイリクが教えてくれたよ」


(なに教えてんの...、あの作家...)


「だからボクは変態なギンギツネが

好きそうな光景が間近で見られるんじゃないかなーって、提案しただけだよ」


「よっ、余計なお世話よ!

てか、変態って言わないで!」


「わかったわかった...、

怒んないでよ...」


「二人の部屋を掃除してくるわ」





と言いつつ、ギンギツネは風呂場に立ち寄った。

息を殺し、耳をすませた。


「あぁ...、いいですよぉ...、

うまいですねぇ...、んはぁ...」


「だろ...、こういうのがね...」


(こ、これは...!)


脳裏にその光景が浮かぶ。


「あつくなってきたのです...」


「大丈夫か...?」


(あつい...?あっ...)


「...いれてください」


「ああ...」


(挿れる...!!)


「はぁ.....、ふぅ....」


(完全に...喘いでる!!)


自身の吐く息でギンギツネの前のガラス戸はさらに曇っていた。


ギンギツネはアレをしていると思っていたが、実際は...

お風呂で酒を飲んでいただけだった。





「えぇ...、はぁ...はい...。

もっと入れれくらさい...」


「おい、お前酔ってんだろ。

そろそろ上がるか」


「いやらのです...、おさけぇ...」


「だーめ」




水を切る音がした。

上がってくると思ったギンギツネは

素早く脱衣所から出た。


すると...


壁に寄りかかり腕を組むキタキツネの姿


「あれぇ?なんでお風呂からギンギツネが出てくるのかなぁ...?」


「いや!!

違うの!!こ、これはっ...!」


「変態だね」


「そ、そんな事言わないで!

お願いっ...!」


「...変態ドM狐娘が」


「いやあああっ!!!!!!」




「はへぇ...、おかわりを...

よこすのです...」


「今度は酒を飲ませないようにしないと」


結人はべろべろに酔った博士に服を着させた。


博士をお姫様抱っこしたまま脱衣所を出ると


「...えっ?」



「ああ、なんでもないよ。ごゆっくり」


そう言ったキタキツネの足は、ギンギツネを踏み付けていた。


「はえぇ...、そう...、私はぁ...

変態...」


(何やってんだアイツら...)


ドン引きしながら部屋へ戻って行った。


ギンギツネが二人が何もしていなかったと知るのは、当分先のこと。

それまで、変態と呼び続けられた。


[BAD END...?:勘違い]

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

長と少年 みずかん @Yanato383

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ