あとがき

 とりあえず、この作品を執筆するにあたって、ス○バに行って抹茶のフラ○チーノを注文しました。

 恥ずかしながら飲んだことがなかったもので……

 作品上ではもともと八オンス(ショー○)で書いていましたが、フ○ぺチーノのサイズってだいたい十二オンス(ト-○)からみたいですね。八オンスカップは、ステイオンタブ式――プルタブではないです。プルタブ式は誤りらしいです。というか、別物らしいです――の缶コーヒー程度の大きさなので、クリームを乗せにくいのかもしれません。

 とにかく、忘れないうちに急いで修正しましたッ!


『Layer 0』――読みは「レイヤーゼロ」です――を初めて構想したのは、三、四年前になります。どこかの文学賞に応募しようかと思って、ずっとしまいこんでいた作品です。(などとはいうものの、執筆はこれで二作品目ですし、今まで応募なんてしたことはないのですが……)

 ホコリがかぶりかけていた今春、「サイバーセキュリティ小説コンテスト」と出会いました。

 題材的にちょうどピッタリだったため、この機会に押し入れから引っ張り出してきて執筆を始めました。

攻撃者クラッカーを検知できるファイアウォールが在ったらどうなるのか?」というコンセプトを基に話は築かれています。……あまりうまくまとまっていませんが。

 タイトルの「Layer 0」は、OSI参照オーエスアイさんしょうモデルという通信における機能を階層化して表わしたものからきています。「通信」にも地下迷宮ダンジョンのように階層があるのです。

 第一層から第七層まであります。

 それぞれのレイヤには名前がついており、第一層は「物理層」第二層は「データリンク層」第三層は「ネットワーク層」第四層は「トランスポート層」第五層は「セッション層」第六層は「プレゼンテーション層」第七層は「アプリケーション層」となっています。

 ここに新たに(勝手に)第ゼロ層を加えて「心理層」とさせて頂きました。

 この「心理層」をつかさどるのがくだんのファイアウォールです。それが人々の「心理」にどのような影響を及ぼし、どのような人間性と悪事を暴きだすのかということを焦点に書き上げました。


 当初は「情報セキュリティ」の話にするつもりはありませんでした。

 ヒロインの梯亜てぃあ自身は情報セキュリティの専門家というわけではなく、フルスタックエンジニア――ようするにIT分野ならなんでもできちゃうという設定なので。作者は何もできない子なので、まさに対極に位置する存在です。マジ憧れます。

 ITにおける犯罪といえば、ほとんどが情報セキュリティに該当するため、どうしてもそちら寄りの話が多くなってしまい主体的に見えてしまいますが、本当はITの全分野が対象です。


 本作品は、二〇三七年という近未来の世界ですが、現代と比較してあまり文明の針を進めていません。これは、約二十年でそこまで世界は一変するのかと疑問に思う点、現代とけ離れた世界だと親近感が薄れてしまうという点から未来を過剰に意識した時代設定にはしておりません。


 そして、この作品で最も悩んだのは専門用語の扱いです。すべて専門的に書くか、それらを一切つかわないか。

 しかし、全く遣わないとなると、ITメインではない小説と変わりないのではという思いが脳裡のうりぎりました。

「AIセダクション」などという架空のサイバー攻撃も紹介するつもりでしたので、けっきょく折衷せっちゅう案でゆくことにしました。話の流れやキメゼリフなど、必要な箇所にだけ専門用語を並べることにしました。

 新聞や一般的な小説に記載のあることばは、なるべくそのまま用いています。たとえば、「パソコン」や「ハッカー」や「クラウド」など。

 ファイアウォールは「UTM(統合脅威管理)」と表わしてしまっています。ただ、物語の中心にくる装置なので、これだけはご容赦いただけると幸いです。

 そういえば、IT以外の専門用語ってどうしていたかなぁと今更ながら不安に……


 また、作中ではいくつかのクラッキング手法を紹介――詳述はしておりませんが――していますが、実際に試みるのはご遠慮ください。脆弱性ぜいじゃくせいについても、発見された場合は、国の機関や製品開発元に届け出をお願い致します。

 くれぐれも梯亜に触発されないでください。彼女の行為は超法規的措置ちょうほうきてきそちによって保護されています。


 末筆まっぴつではございますが、このたび、拙作せっさくをお読みくださった方々に感謝申し上げます。



   二〇一八年七月吉日 ゐゑ

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Layer 0 ゐゑ @wyiwye

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