隠せない心実

き、聞いちゃったぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


こ、これって告白…だよな…。

やばいやばい…ッ!!


嬉しい反面…超恥ずかしいッ

早く雅樹の顔みたい…けど…、寝たふりしてないとダメだし…ッ


「」「」


ちょッ…二人して黙ってないでくれよ…な、なにか反応して~!!



「ッもういいですよね?…遥くん…返してください。」


あ…坂井の声だ…。


…ん!?


今…遥"くん"って言った…?

普段は遥"さん"…なのに…。



雅…樹…?

ハッ、いやいや、ありえないから!!

そんなわけ無いから!!!!


まず雅樹には嫌われてるし、何より俺の目の前に現れる筈がない…。



坂井が影ではそう呼んでるのかな…。

コツン、コツン、コツン…


あわわ…ッ!

誰かの足跡が…も、ものすごい速さで近づいてくるッ!


ヤバイっ…動悸が…ッ


スッ…

足音の主が、俺の頬に優しく触れた。


「遥くん…帰ろ?」


ズキンッ

ああ、まただ。


また、その言い方…"くん"付けなんて…してくれるなよ…。


「雅…樹ッ…」


俺はまた同じ罪を…また…坂井を…好きになったやつを傷つける…。


今だって、あいつを思い出しちゃってる…。坂井を苦しめてる…ッ


「フフっ…もう怖くないからね…。」

坂井は俺の髪を指でゆっくり梳いた。



その手は俺の首の後ろと膝の後ろに入れられた。


坂井の鼻息が首元にかかった。


その時、俺の体はふわりと浮き上がった。

というか浮き上がらされた…坂井の腕で。


ってこれ…お姫様だっこ…ってやつじゃ…ッ。


「じゃ、失礼します。遥さんをあなたなんかに任せるわけいかないですから。」


その言葉を置いて、坂井は俺を運んでいく。


坂井の足音が、俺の鼓動をまた早くした。


10歩程歩くと廊下に出たのか、照明のまぶしさが目を閉じていても分かった。

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