武器〜アーティファクト〜

「武器がいるな」


不意にアドルフがつぶやいた


「ああ……」

「だな……」


それにカルロスと哲郎の二人が同意する。


「武器?武器って、さっき落ちてたハンドガンみたいなものか?」



工場内での出来事を思い出したジェームズ。


「そうだ。ただもっとでかい武器だがな」


アドルフがジェームズの質問に答える。


「この世界にはふた通りの武器がある。」


哲郎が右手の人差し指と中指を立てて補足説明を始める。


「一つはどこにでもランダムに落ちてる小さい武器。」


ハンドガンや、ナイフなど、


これがジェームズが今思い浮かべている武器だ。


「奴らを牽制したり目くらまししたり、足止めには使えるが、大きなダメージにはならず、直接的な戦果は見込めない」



「そしてもう一つは、ランダムな場所に置かれたロッカーの中に入ってる、でかい武器だ。」


「ロッカー……」


思い当たる節があり、考え込むジェームズ。


「そう、基本1ステージに3つ、俺たちの理解できない技術を使ってて、ありえないくらいの威力がでる武器がある。」


「ただ、魔法陣によって封印されている場所にもあるから手に入るには運が絡む。」


どうも、


さっきの魔法陣の説明の補足らしいが、


このステージに関わらず、どのステージも3つのフロアに分かれていて、最初の1フロア以外は魔法陣によって封印されているらしい。


魔法陣を無力化すると、結界が広がり、次のフロアが解放されるというのだ。


そして、ランダムな場所というのは、まだ封印されている場所も含まれ、最後の最後までロッカーが一つもないなんてこともあるのだとか、


「理解できない技術を使って作られた武器だ。せっかく手に入っても使い方がわからず、使えないなんてこともある。俺たちはロッカーの中に入ってる武器のことをアーティファクトと呼んでいる」


「アーティファクト……」


その言葉で、ある程度の想像はつくだろう。


「アーティファクトは、大ダメージを狙える代わりに扱いが難しく、さらに手に入れるのも難しい。」


条件付きのチート武器ってやつだ。


まさしく一発逆転の可能性。




「さて、アーティストを探しに行こうと思うが、ロッカーの場所に心当たりがあるやつはいるか?」


哲郎の問いに対する短い沈黙。


「やっぱり誰もいないか、なら……」


カルロスが立ち上がってどこかへ行こうとする。

それをみた哲郎とアドルフも立ち上がる。


「どこへいく?」


ジェームズが慌てて声をかける。


「どこって、そりゃ魔法陣を探しにだよ。」


アドルフが何を今更……みたいに答える。


「武器がない中魔法陣を見つけて無効化するのは大変だが、アーティファクトを見つけるためには次のフロアを開放しなくては」


哲郎が残念そうに続ける。


「知っ……知ってる‼︎ロッカーならあるぞ‼︎」


「「「――――っ⁉︎」」」


驚きを隠せない三人。


「本当か‼︎」


「やった!!」



哲郎とカルロスの目が変わる。


「もっと早く言えよ‼︎」


アドルフがジェームズの肩を組んで脱力する、


「すまん、あまりに急な展開で思考が追いついてなかった」


謝りながら立ち上がるジェームズ。



「よし‼︎そうと決まれば俺たちの次の行動は決まったな‼︎」



嬉しそうにアドルフがジェームズの方から手を離して言う。


「ではジェームズ。案内を頼めるか?」


哲郎。


「ああ、わかった」


ジェームズも頷いて三人の前に立つ。


「アーティファクト見つけてオリジナルをぶっ飛ばすぞ‼︎」


「「おー‼︎」」」


拳をあげる三人。


「お、おー‼︎」


続いてジェームズも拳を上げた。


こうして、


無事にこれからの方針が決まった4人は、バケモノ殺しの超兵器




アーティファクトを探しに移動を開始した。

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