心音
「待て‼︎」
突然急ブレーキをかけて止まったアドルフは、後ろのジェームズに止まるよう指示を出す。
「なんだ?」
緊張した声音で問いかけるジェームズ。
「心音だ。近くにいるぞ‼︎」
そう言うと、アドルフは耳を澄まし辺りを探り出した。
「……何も聞こえないぞ?」
アドルフに習って耳をすますジェームズだが、
不気味な風の音が聞こえるくらいで、さっき
聞いた心音は聞こえない。
身を潜めながらも、不振の眼差しを向ける。
「静かにしろ、今探ってる」
ジェームズを静止し、集中していくアドルフ。
「……右だ‼︎」
右を指差して目を開けたアドルフは、自らが掴んだ情報をジェームズに知らせる。
「わかった。だがどうすればいい?」
敵の位置がわかったところでどうすればいいかを知らないジェームズは、慌てて指示を仰ぐ。
と、
ドクン……ドクン……
ジェームズの耳でも、かすかに心音を捉え始めた。
「走るぞ‼︎哲郎が戦ってる。武器なしの俺たちじゃ足手まといだ。カルロスをさっさと助けて離脱するぞ‼︎」
言って、再び走り出すアドルフ。
「わかった‼︎」
アドルフの後を追ってジェームズも走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます