ゴブリンと復讐の少女

ばえる

あらすじ

 マルスプミラ王国――数ある国の中で最も大きな領土を持ち唯一「人間と魔族の共存」を掲げ、実現している国であり、王都から小さな村、領土内であれば全ての場所で人間と同等の権利が与えられている。

 過去に人間対魔族の戦争があり、個体差はあるものの、人よりも遥かに強い力で向かってくる魔族達に対して人間は知力で抵抗し、結果は人間側の勝利に終わったのである。


 その際に一部の捕虜や戦闘意志のない者達を保護し等しい人権を与え、居場所を与えたのがマルスプミラ王国初代国王であり、戦争の元となった魔族たちはどの国、路上にすら安心して暮らせる居場所がないという彼等の問題を解決し、人間の力では数人必要とする作業を力の強い魔族に分担することで他の国に比べ経済的にも技術的にも急成長を遂げ、あっという間に世界の中心国として扱われることとなる。

 それから国王が二代、三代と変わっていっても人と魔族が共存でき、協力し生きる唯一の国であることは変わらず、この世界における発言力は高まるばかりであった。


 マルスプミラ国が存在することにより、内戦どころか、他の国同士の戦争勃発への抑止力にもなっており数百年と自国のみにならず他の国も大きな戦争や問題が起きることなく平和な世界が続いていた。

 しかし、数百年という時の流れは人と魔族たちの意識を少しずつ変えるには十分で共存発展に至るまでの記憶を持った当時の者達は死に、王国の伝説、初代国王の功績として語り継がれているものの、それも徐々に薄れつつ、それを知るのは一部の王族、住民のみで「等しい権利」を忘れた人と魔族たちの差別的発言による小さな争いが少しずつ起き始め、「共存」による発展をしてきたこの国に再び戦争の声が聞こえ始めていた…。

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