★★自分の子供であっても……いや、自分の子供だからこそ……

突然警察から息子さんに殺人事件の話を聞きたいと言われたら、その両親はどうするだろうか。がひたすらにリアルに描かれている。息子に限ってそんなはずはと思う一方で、自分たちが思っているほど息子のことを知っているわけではないと思い知る。じわりじわりと膨らんでいく疑念がよかった。
ラストの衝撃といったらない。両親はきっと、悲しみと怒りと後悔と安堵を混ぜ合わせたような気持ちになっただろう。