第4話淡路島三泊四日サイクリング・2日目

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|    アルちゃん     |

| 種族・ドワーフ(見た目) |

| 身長    168cm  |

| 体重     85kg  |

| 体脂肪率   37%   |

| BMI   30(肥満度2)|

| 状態    旅に出たい  |

| (  4月中頃当時  ) |

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 ※BMI= 体重(kg)÷身長(m)÷身長(÷)

 ※ 体脂肪率=(実際の体重ー標準体重)÷標準体重×100

   標準体重=身長m×身長m×22


 こんにちは、アルちゃんです。

 気づいたら4時間ぐらい昼寝してしまいます。


↓ 前回まで ↓

 淡路島にて野宿をしながらサイクリングを断行したアルちゃん。

 浜辺で目覚めた朝、麻婆豆腐をかっくらい、腹ポンポンで出発が大いに遅くなる。


↓ 本文 ↓

 午前10時に淡路島は北東部、東浦の浜辺を出発し、昼11時にはバテてしまう。

 朝夕に食べた麻婆豆腐の影響か、喉が渇くし、甘いものが食べたくて仕方がない。

 久しぶりに『まるごとバナナ』を頬張りました。ジュースもがぶ飲み。

 また腹が膨れて動けなくなる。

 そもそも昨夜読んでた『流星・お市の方 永井路子・著』が面白くて止め処ない。

 切り良いところで動き出したら正午を回っていた。


 一時間後には洲本に着く。牛丼で栄養補給。

『流星』は電子書籍版でスマホを使って読んでいた。

 おかげでバッテリーは底をつきそうになっていた。

 走りながら散々悩み、結局コンビニでケータイ充電器を買った。

 電池を取り替えるとくり返し使えるタイプなので、いつか元を取ろう。


 更に南下し、淡路島の南端、福良にたどり着いた。

 港と道の駅を足したような施設が見える。

 何だかこのまま淡路島一周してもしょうもなさそうだったので、四国に渡ってやろうと思った。

 が、そもそもこの港から四国に渡るフェリーは出ていないらしい。

 マジで⁈ もう四国見えてるじゃん!

 そこで思い出した。約10年前に民主党が政権を取った折の高速道路無償化。

 というより1000円ぐらい取られたような気がするけど、関西から東京まで高速使っても、高速代は1000円だった。

 当時仕事でよく利用させられたが、しばらくして全国各地のフェリー会社は一気に苦境に立たされ、淡路島に航路を持つ会社は3つあったが、2つも廃線にしたというニュースを思い出した。(間違ってたらごめんなさい)

 当時、かわいそうと他人事だったが、約10年の時を経て、淡路島から四国に渡れないという災難になって我が身に振りかかった。

 あのバカ野郎、ちくしょう、脳みそう○こ、ファックユー!

 と海に向かって人差し指をつきたてた。だからあいつら万年野党なんだ。

 

 バチが当たる。

 今夜も野宿をするため町唯一の雑貨店で食材を買い込み、店員さんに道を尋ねた。

 前日風呂に入れなかったので、日帰り温泉施設を使いたかった。

 二軒回った。

 二軒とも外れだった。

 街中にある一軒目は、時間外です。

 もう一軒は、山の上。

 35キロある自転車でどう登んねん。

 しゃあなしに無視して野宿できるとこを探し出す。

 福良の周りはホテルの敷地が多く、相当外れに行かないと気兼ねする。

 やがて歩道橋のような坂道が始まった。

 坂を上るのが嫌で温泉を諦めても、結局逃れることはできなかった。


 地図で国民宿舎を見つけた。

 どうやらテントサイトがあるらしい。

 シャワーもあるらしい。

 使わせてもらおうと電話したら、一泊4000円ぐらいと言われた。

 いや、沢山で泊まると安いかもしれんけど、一人にはきついわ。

 それやったら民宿泊まるて。

 諦めて引き返しても仕方ないので歩道橋を上る。

 唯一の救いは、次の町までの間に温泉街があるらしい。

 とにかく上った。無我夢中で登った。

 知らないうちに通りすぎるほど地味だった。

 多分300mぐらい上って、一気に下りたから、もう引き返したくない。

 淡路島の南西部、丸山の港に着いた頃には、太陽が海に引きずり込まれていた。


 自衛隊員が背負うぐらい重い荷物を自転車に縛り付けて、

 丸一日動き回り、300m登って300m駆け下りた我が身は、

 もう雑巾のように捻りだしても一滴のやる気も出ない。

 山と海に囲まれた漁村にテントを張れそうな場所もない。

 仕方がなく手あたり次第民宿に電話する。

「飛びこみですが、いいですか?」

「申し訳ございませんが……」

 というくだりを二、三軒くり返したが、ようやく一軒

「飯は用意できへんで」とOKしてくれた。

 飯て……

 まぁとにかく街中の民宿に飛び込んだ。


「今日は休もう思てたんや!」

 の一言で民宿の親父に迎えられた。

「飯も何もでぇへんで」

 と部屋に通される。入口近くの座敷にマットレスのような布団が敷いてある。

「悪いけど足が悪いんや」

 と、よぼよぼの足取りで毛布を取りに行ってくれている。70ぐらいのお爺さん。

「あぁ、僕手伝います!」

 と代わりに運ぶ。掛け布団はなかった。


「近くに食堂とか、ご飯食べれるところありませんか?」

 とお爺さんに尋ねる。

「あれへんで! みんな聞くもんやから、初めから無い言うてるんや!」

 と言われた。唯一町にある雑貨屋も今日は休業らしい。

「よかったらキッチン使え」

 と通してくれたものの、普段の仕事で使っているかと思うと気が引ける。

 が、是非も無し。持ち込んだ鍋でペンネをゆがいた。

 ついでに昨日道の駅で買って残しておいた玉ねぎと、

 福良の雑貨屋で買ったシャウエッセンを投入する。美味。


「丸山の温泉はな、日本一塩分が濃いんや!」

 と僕一人のために沸かしてくれた風呂はトロトロとした触感の天然温泉。

 効能の欄を見ると美肌に効果があるらしい。

 たしかに足の角質が取れた気がする。


 何もすることが無いので部屋で、『鶴瓶に乾杯』を観て寝た。

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