戯言

秋柚子《あきゆずこ》

執着

私がいなくなったらあなたは何を思うかな


私に頓着のないあなただから


眉の一つも顰めやしないんだろうな


そう思ってたの


ずっと私だけが好きで


その一方的な想いにあなたが


たまに返してくれるだけだと思ってたの


機嫌がいい時に買ってくるプリンも


機嫌が悪い時の私を後ろから抱きしめるくせも


甘え方が下手くそな時も


全部


全部


でもあなたは泣きそうな顔で


いなくならないでなんて言うから


その一方的だと思ってた想いが両想いになったの


その時プリンを2つ買ってきたのも


充電と言って私を後ろから抱きしめるのも


スマホをいじってる時膝に頭を載せてそっぽ向くのも


全部


全部


ずっとずっと一緒にいたい。いなくならないで。


大きな両手で私の小さな手を握って


ぎゅっと握りこんで


絶対離さないなんて


甘く零すから


ああダメだ、私この人から離れられないなんて思って


また、あなたの腕の中で眠るの


ずっと一緒がいいなんて、


あなたの口から聞くとは思わなかったわ。


見栄っ張りで意地っ張りで


どうしようもなく愛しい人


意地悪で猫みたいで


大好きな人


私より随分背が大きいのに


少しだけ気が弱いところがある人


とてもいっぱい綺麗な言葉を知っているのに


またそこから綺麗な言葉だけを私にくれる人


貴方に合わせようと無理した私に


そのままで充分だよって言ってくれた人


愛してるわ。愛しいあなた。


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