2;最強の婚約者

前世の僕は44歳バツイチ独身、人型ロボットのプラモにはまるオタクおじさんだった。

妻は最初は一緒に楽しんでいたが、年をとっても変わらない僕に嫌気がさし娘と家を出て行った。


今日は月一の娘、三咲(みさき)「7歳」との面会の日、動物園に行って弁当(僕の手作り)を食べて、夕方ファミレスで夕飯を食べて、元妻との待ち合わせの駅に向かって歩いて居た


「パパ!楽しかった!」

「そうか?良かった今度行きたいところまた言っておいで」

「うん!」


キキー!!

暴走した車がこちらに向かって来る

「三咲(みさき)!」

周りに人が居ない・・・僕は、娘とお土産に買った大きなぬいぐるみを一緒に腕に中に抱え込んだ

鈍い痛みが走る、三咲の頭をぬいぐるみとしっかりと抱える、

「2人を愛しているよ・・・」

「パパ~」

かなり飛んだ感覚があって何も見えなくなった・・・






浮遊感

「此処は?」

「ようこそ#$%さん」

「だれだ・・・」

「此処は世界の狭間です、あなたは亡くなりましたが、魂がとても純心なので転生させて差し上げます」


「・・・・・きたきたきた~転生もの~・・・」


「そうだ!美咲は?」

「彼女は重傷ですが命に別状はありません、手足の骨折です、貴方が頭を守ったためです」

「そうか?彼女がトラウマにならなきゃ良いんだけど」

「フォローしておきましょう」

「!お願いします・・・」


「で?あなたは神?天使?」

「一応世界の創造神です」

「一応?」

「前の管理者から受け継いだので」

「そうなんだ・・・・で、どんな世界でもいいの!?」










『おい!聴いてるのか?覚(さとる)!』

『!!ああ・・・大丈夫だ』

『分かっているのか!?艦長がお前に任すと言ったん、だ「幸運の男」にこの戦場を!今お前が指揮官なんだぞ!』


(精神に干渉する様に作ったからちょっとトリップしてしまった・・・)


『指揮官って・・・ま、いいけど・・・まず、第一部隊第二部隊は中央、第三部隊と第四部隊は左右に展開、第五部隊は空母「御影(みかげ)」の護衛をお願いします。御影と護衛艦は射程圏内に入ったら全火力を敵左の空母にのみ向けてください』


『『『『了解』』』』


『僕は単独で行動しますが相手に動きがあれば一斉に各自の判断で戦闘を開始してください、フォローはコンピュウターが指示してくれます。』





『え?栞那(かんな)2等兵の武蔵・・・ロストしました』

レーダー係りの女性が固まった・・・

『ええぇ?』

皆驚いている


『・・・生きてますよ、僕の事は気にしないで・・・』

通信が入る


『どうして・・・』

『暫く通信は禁止!では攪乱(かくらん)してきます』






「凄いなさすが最新式!思い道理に動く・・・量産型ももう少し考えないとな」


覚(さとる)は気配(機動)を消して惰性で敵の後方に入る、


「夢だよね~遠隔操作のビームって」


武蔵を起動させると直ぐに武蔵後部からビームを出す子機が飛翔する

護衛艦に次々に飛来してビームを放つ、1機2機3機次々に轟沈(ごうちん)していく


それを合図に一斉に4部隊が動き出して敵を打っていく

あっと言う間に護衛艦を無くした敵空母達でも後退も出来ない

後ろに覚が居るから


向こうは後方にどれだけの数か居るのか、把握絵来ていなかった。

まさか一機だけとは思わなかったからだ。


1機の空母は落とさなかった、救援してもらう為だ、

覚(さとる)達の部隊では捕虜を作る物資の余裕が無いため、自力で帰って貰う必要があるのだ。


終ってみると此方の生存率100%

敵の方はたぶん40%だろう1.5倍の戦力差ふたを開けてみれば圧勝だった


「なんだ!あの戦法は!どうやったんだ?」

「すみません、たぶん僕しか出来ない技なので、お教え出来ません」

兵士達に囲まれておろおろになっている覚(さとる)。


「おい!ヘルメット取らないのか?」

「あ・・・・いえ・・・着替えて来ます」

「まだ第二次戦闘配置だぞ・・・」

「そうでした・・・」

「じっ」


「観念したら?だれもいじめないと思うぞ」

ミカエル田中が言う

「それはそうなんだが・・・」

「何かあるのか?」


ヘルメットをゆっくりとはずす

「「「「「!おいそれ地毛か?」」」」

「凄い見事な銀ね・・・」

ワイワイと騒ぐ人たちの中で目を見開いて驚いているのが一人の諜報員だった




「うそだろ!予言が当たるなんて」

「どうした?ジャン?」

「グレンダルの予言聞いたことないか?」

「あの神話?銀色の救世主が現れるって・・・まさか」





覚(さとる)は軍を辞めれるのか!?

宗教関係も出てきそうだぞ~





覚は普通に帽子で銀髪を隠している

うざいからだ周りが


「所で、間宮(まみや)麗華(れいか)の尋問は?」

「吐かないらしいよ、けっこう顔腫れあがってるの見たけど・・・容赦ないよね諜報員」


手引きした人間を吐かそうとしていたのだが、痛めつけても言わなかった


「うーん・・・そうか」

「気になるか?少しは粉かけてた相手だもんな」

「ちょうど良かったかも、中央に行くことは無いと思ってたから粉かけてたけど、アイツにばれたら、、間宮(まみや)殺されるだろな・・・」

「?」


「栞那(かんな)2等兵、諜報員詰所に来い」

「え?」

「おい、俺らの命の恩人に何かする気じゃないだろな」

「違う、話をするだけだ」

「・・なんだろ?ま、大丈夫だよ、行って来るよ」

「あいかわらず能天気だな・・・指示出してた時の口調が嘘みたいだ」

「いっつもピリピリしてたら疲れるぞ!」

「お前、能天気な時間の方が多いだろ!」

「そうか?」

(商会にデーター送ったりしてるからな、その間ぼーとしてるように見えるんだろうな~)



諜報員詰所に来ると

鍵を掛けられた


暗い小さい部屋に連れて行かれると

そこにある窓から間宮(まみや)麗華(れいか)が、

顔を腫らして、ぐったりとベットに横たわっているのが見える。


「結構酷くやりましたね・・・」

「死なない位にな」

「・・・捕虜の扱い的には不味くないですか?」

「捕虜ではない、スパイはそれに入らないんだ・・・いやに冷静だな」

「そうですか?実家によく襲撃に来る輩が居ましてね・・・家の護衛が黒幕を吐かせるのに結構酷い事をしてたの見たことあります、まだ可愛いものですよこれくらい・・・爪ありますもん・・・で?僕に何の用です?」

「・・・・・爪って・・・お前のやり方であいつを吐かすことは出来ないか?」

「僕ですか?僕、痛めつける拷問は好きじゃないんですよね・・・」


「・・・他の拷問があるのか?」


「ありますよ・・・彼女なら効くと思いますが・・・」

「やってみてくれ」

「・・・カメラを止めて、見ないと約束してくれるのなら」

「それは、出来ない証拠がいる」

「自白の部分だけの音声じゃだめですか?」


「そんなヤバいことするのか?」

「えーとすることは  (いや@ん)とか(あはーん)とかなので」

耳打ちすると諜報員は顔を赤くした

「大丈夫、最後までしませんから、そんなことしたら婚約者に彼女殺されます」

「・・婚約者居るのか・・・お前じゃなくて、相手が殺されるんか!?」

「わかった・・・」

「でも、皆には内緒でお願いしますね」





「中央の参謀副長官だって!なんてこった」

如月(きさらぎ)艦長が会議室で数人の幹部と覚(さとる)と諜報員と吐かせた音声を聞いていた

「ところで、色っぽい音声だな・・・何やったんだ・・・栞那(かんな)2等兵」

「羞恥と快楽は立派な拷問なんですよ、中毒になることがあるので注意が必要ですが」

ピースをしてにっこりと笑う僕

「最後までしてないんだな?」

「しませんよ・・・気持ち悪い!好きでもない奴となんて私は御免です」


「しかし、もっと喋るから栞那(かんな)を呼んでくれって猫なで声で言われて、狂った感じで気持ち悪いんだが・・・」

諜報員が言うと

じとっとおじさんたちの視線が冷たい・・・

「ちょっとやり過ぎたかな?へへっ」

「ホント、お前は何者なんだ!」








「中央要塞まで5時間です各員入港準備お願いします」



「艦長・・・・僕も準備したいんですか」

「このシステムはサトル以外に変更できないのか?」

「今は誰でも出来ますよ、封印を解いた物のようなものなので、マニュアルはその下に」


「僕はどういう扱いになるのか分かりますか?艦長・・・」

「どうした?お前らしくないな、まあ、聴取されるだろが、敵を粉砕してスパイを吐かせた功績は認められると思うぞ、報告書はなるべく不利にならない様に書いておいたから、安心しろ」


「え!?スパイのやつ書いたんですか・・・やばいな・・・」

「あの音声は提出しないと証拠が無いからな・・・あんな方法使うからだ・・・」

「間宮・・・殺されなきゃいいけど・・・あいつに・・・」


「?」



ドックに入ると迎えの兵士と・・・・

「さとる!」

「!ミカサ・・・」

抱き付いてくる黒髪ショートカットの可愛い女性

周りの兵士が目を剥いている


「”戦場の死の女神”のあんな顔初めて見た」


覚(さとる)に抱き付いているのが


「久しぶりミカサ!愛しの婚約者殿!」

「うん・・・会いたかった!」


『『『『『『ええぇ~!婚約者~?!』』』』


周り中から叫び声がした


「・・・あれ?言っちゃまずかった?ミカサ」

「さとるさとる~」

「良いみたいだね、よかった」


「神谷(かみや)少佐、すみさせん彼を聴取したいのですが」

「私も行く!」

「え?しかし」

「さとるに酷いことしたら・・・殺すよ・・・」

「ゾクッ・・・そ・そんなことはしません、むしろ表彰されるらしいですよ」

「え?そうなの?さとるってば昇格に興味ないって全然上がって来てくれないから、私が降格しようかと思ってたのよ!」


「中央が君を手放すわけないだろ?僕は来年の更新に合わせて軍を辞めるつもりだし」

「!辞める?・・・私今年更新なの・・・そうだ先に辞めておくわ!花嫁修業しなきゃね、それがいいわ」

「!!!ちょっと待ってください!し・少佐が軍を辞める?ええ?ちょっと・・・」


(あ・・・やばい・・・失敗した・・・やめてから言えばよかった・・・どじった)




「ええっと・・・栞那(かんな) 覚(さとる)2等兵、

3階級特進で”技術兵長”とする、中央技術課での勤務とする

そして、これが勲章だ敵粉砕した功績だ・・・」


「ええ~!内勤?さとると前線に出たい!」


「いや・・退役申請出してるはずなんですが、来年春で」

勲章を眺めながら言った

「そうだった、私も退役願い書かなきゃ!法務部だよね、3か月前に出さなきゃいけないだよね、ギリギリだったわよかった、行ってくるねさとる♪」

「ちょっと!お待ちください!神谷(かみや)少佐!」

目の前の中央幹部の上司が冷や汗をかきながらミカサを往なす

「えぇ?ギリギリなのよ直ぐに行かなきゃ」


「真田丸(さなだまる)中佐、宮丸大佐がお越しになりました」

「ああ・・・よかった宮丸大佐・・・」

「あ!宮丸ちゃん!・・・!?さとる?」

僕は立ち上がって敬礼した

「ミカサ、礼儀は大事だぞ、大事にされてるからってわがまま放題は違うぞ」

(ま、自分も結構上司にタメ口だけど・・・ちょと格がちがうからな・・・大佐なんてモブ兵士が会う事なんて普通ないぞ!)

ミカサも立ち上がって敬礼する


「・・・座りたまえ」

「はい」

「神谷(かみや)少佐の婚約者だったか?」

「はい、栞那(かんな) 覚(さとる)2等兵、じゃなくて

”技術兵長”です。神谷(かみや)少佐とは幼馴染で5歳の時から婚約しております」

「君は跡継ぎか?」

「いえ、5男なので家は出る予定です」

「もう少し軍に居ないか?神谷(かみや)少佐の近くに配属にするから」

「・・・ミゼット商会から誘われてまして・・・」

「ミゼット商会には私から言っておく」


「え?さとる、軍に残るの?嬉しい~本当はまだ暴れ足りないのよね」

「ミカサ・・・」

腕に絡みついて頭をさとるの方に載せるミカサ

「好き・・・」

「・・・ミカサ皆が見てる」

「良いじゃん、婚約者だもん」


(可愛いなぁ~・・・怒ると怖いけど・・・)


「解りました、2年更新します、よろしくお願いします。」

立ち上がってお辞儀をした


「さとるの配属は私と同じ小隊にして、じゃないとやっぱ辞める!」

「おい!ミカサ・・・だから我が儘は」

「それは出来ない、君の部隊は精鋭部隊だ無理だ」

「え~!さとる、私より体術上だし、銃の腕前も知識も機動人型戦闘機のシュミレーションでも私勝ったことないよ!」

「おい!ミカサそれは・・・」

「さとる!可笑しいよ何で私より優秀なのに2等兵なのさ」


ミカサが泣いているのを見て目の前の上司は僕を見て少し険しい顔をしだす


「試験をしてもらおうか?手抜きなしで」


そう怖い顔の上司たちは言った・・・

(まずいよ~おーいミカサなんてこと言ってくれたんだ・・・プラモ生活が)



「部屋はさとると私同じ部屋でいいよ、大きい部屋でよろしく!棚が一杯あると良いな」

にこっと笑うミカサ

『プラモ一杯持ってきていいよ』

ぼそっと僕の喜ぶことを言う・・・

「は~敵わないな・・・可愛い婚約者殿・・・」
















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る