古き良き西洋ファンタジーの香り

図書館の虫だった子供時代、夢中で読み漁った幻想文学の世界を思い出すシリーズ。一話と二話は二人の主人公・蛮族カブリとエルフのブレトが故郷を出るまでの物語で、どちらも素朴な民族の生活感があります。
 こう、インディアンとかアイヌとか、現代日本の我々とは遠く離れた文化を持つ、狩猟採集民族に伝わる物語を読むような心地ですね。
 父子ものが好きなのでカブリの物語はグッとくるものがありましたが、森の獣のためにより良い狩りをしようとしても理解されず、罰されても「それが掟だから」と従容と受けるブレトの姿もまた胸を掻き立てられるものがあります。
 この二人が出逢う下りも見てみたいのですが、第三話からは既にコンビが出来上がっていて、二人が対処する事件のお話。ここだけいきなり読んでも、普通に短編小説として完成している出来栄え! しかしニグラさん、いあいあな方向のあれですよね……?
 Twitterか何かで不定期更新と書いてあった気がしますが、二人(と一柱?)の新たな冒険を心待ちにしております!