空飛ぶ三角関係

丹念かつのびやかな筆致で、すぐに作品世界に引き込まれました。
思春期の少女の揺れ動く気持ちを異世界で描く、ジュブナイル小説なのかなと思いきや、序盤からショッキングな展開が!

気を取り直して読み進めるうちに、みるみるパズルのピースが埋まっていき、世界観への理解が深まっていく。もちろん謎も謎としてより魅力的な???となってページ(じゃないけれど)を繰らせてくれます。

痒いところに手が届く小説で万人におススメ。

特筆したいのは竜との共生感覚、大小さまざまなバトル&活劇のシーン。あとはやっぱり恋の三角関係でしょうか。

大きな喪失を経てもへこたれずしたたかに生き抜くヒロインもヤバいですが、デイミオンとフィルバートも同性ながらカッコよく憧れてします。

どこか『花より男子』の道明寺司と花沢類を重ねてしまう私は古い人間だなぁ。。。

一部では発展途上の三角関係が今後どうなるか楽しみです。

普段はあまり考えないのですが、この小説に限っては作者さんが男性なのか女性なのかとふと考えてしまいました。

〈ハートレス〉という設定もいいなぁ。空から見た竜舎が花弁の形としているとか、床が濡れてる理由とか……ここで述べ切れない大好きなところはたくさんありますが、第二部も待っているのでこのあたりで。

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