おんあだっ!

@museruhito

恩は物や施しだけじゃないんだよ

アニメや漫画で悪役が最期に言うセリフがある。

「き、貴様! 恩を仇で返すつもりか⁉︎」

そう言われた方は「そっちはその気だっただろうが、こっちは地獄だったよ!」的な事を吐くであろう。

そもそも【恩】とはなにか? 裕福な環境を与える、困った者に恵みを与える、危険な状況に助けを与える。恩とは自分ではない他人に何かを与える事。与える者は善意や悪意はともかくリスクを気にせず恩を渡し、与えられた者は真意がわかろうともわからずとも与えられた恩を受け取る。

して、今度は【恩】という言葉たらしめる物はなんだろう?

金? 確かに貰って助かるしありがたい。

食べ物? 確かにお腹減っているならこれ程満たされて有難い物はないだろう。

玩具やゲーム? 確かに子供にとっては金や食べ物より大切な物だったりするだろう。

こう挙げられるとキリがない。だが、僕の挙げた物は全部正解なんじゃなかろうか? 結局は窮地に瀕してる者を助ける物なら、それは全部恩という物だろう。

だが、僕はその恩の中に【言葉】も入っているんじゃないかと思う。

僕はそんな体験した事はないのだが、昔、事故に遭って病院に行った人や木に登って降りられなくて泣いていた時に助けてくれた人はこれ以上の感謝を覚えているんじゃないだろうか? 「大丈夫」という言葉に体験した人は救われたと思うし、その言葉を忘れる事もないのではないだろうか。

言葉が恩の1つであれば、さっき挙げた金や食べ物よりもありがたみが感じない。それは何故かと問うまでもなく、実体がないからであろう。

言葉は与えられなくとも病気ではなければ誰だって言える。さっきの「大丈夫」だってこの書いてる間にも言える。

何故実体がないとありがたみがないのか、それは言葉とは賞味期限があるからだと思う。

今この瞬間に「あ」と言っても明日になれば、人によっては数時間掛かれば「あ」と言った事を忘れる。又は生きてる内に「あ」と言った記憶と同化するだろう。

例えるなら6パックの卵の1つ1つの賞味期限が異なっていると言った感じだろうか? 返品待った無しだが、【吐いた唾は飲めぬ】という言葉があるように、言った言葉を返品する事は出来ないのである。そんな事が出来たら人生クーリングオフも可能である。

そして言葉とは言った本人が覚えてるのが圧倒的に高い。聴いた方も覚えてはいてもそんなに大事な事ではないと思っていた事が、言った方はかなり大事な事だと思う事もあるのだ。無論逆も然り。

なので、普段何気なく話している間でも誰も気づかない中で【恩を仇で返された】と思われているのかもしれない。

だからと言って言葉を一字一句聴き逃すなと言っても無理がある。言葉を巧みに使い、そしてその言葉を忘れる事は人間の性である。

仇で返されたと思ったなら、まず落ち着いてちょっぴりの本音を交えて嫌な気持ちを吐こう。そこまで親しい仲でなかったなら友人に愚痴を聴いてもらうか、ネタにしよう。

言ってしまったら、まず相手の言葉を聴いて、棘があったら反省して謝ろう。親しい仲じゃなかったら「こういうのが嫌なのか」と感じて覚えよう。


ただ軽く


言った言葉が


地雷踏み


怒った君に


困惑してる



つまり何気なく言った事がお互いを傷つけて誰も幸せにならないから言葉にも恩があると考えよう!

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